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2年前、叔母が入院したという知らせを受けて、私は病院にかけつけました。そこで叔母に頼まれて、何十年かぶりに叔母の部屋に行ったのですが...
前回の話はこちら⬇️
叔母の部屋のドアを開けると
部屋から枯葉が外へ舞い降りてきた。
もうあたりも暗くなっていて、一瞬、何が起こったかわからなかった。
手探りで玄関の電気をつけると、
玄関の棚の上に枯葉の山が!
それがドアを開けた拍子に外に舞い降りてきたのだ。
慌てて、外に飛び出してきた枯葉を集めて中に入りドアを閉める。
その奥の部屋に続くドアを開けると、信じられない光景が広がっていた。
床にチラシやカレンダーの切り抜きや新聞がばら撒かれたかのように散らばっていて、おしゃれでうらやましかったロッキングチェアーの上にも新聞の束、背もたれには服の山。その奥の部屋は床が見えないほど本が平積み。
目の前に広がる光景に唖然とするばかりだった。
足の踏み場がないとはこのことだ。
足元に広がるばら撒かれた紙類をとりあえずまとめようと手を伸ばして、
ハタと手をとめた。
よく見れば、ばら撒かれたように見える紙類は、瞳のきれいな子どもたちの写真のカレンダーの切り抜きや、美しい富士山、かわいい小鳥など
かわいいもの、きれいなものばかりだ
ひょっとしたら意味があって並べているのかもしれない
玄関の枯葉も、昔、秋になると綺麗なイチョウの葉を
「きれいでしょ」
と母の所にも持ってきたりしていたから、そうやって散歩で持ち帰った物がたまってしまったのだろうか。
もし、意味があってしていることなら、勝手に片付けてしまうのはまずいかもしれない。
とりあえず、部屋を片付けるのはやめて、叔母に頼まれた物だけを探し当ててて、病院にとってかえした。
病院に着くと...
(つづく)