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会社を立ち上げる時の話です。
独立する前に勤めていた会社の後輩が、私を慕ってくれて、
「エルさんの会社で働きたいです!」
と言ってくれて、一緒に会社を退社してくれました。
彼の名前はアキモトと言い、正社員第一号として私も期待していました。
ただ頭が悪く、見た目もチャラチャラしており、年齢の割には若造のような雰囲気がありました。
しかし、それがまた彼の素直さや人懐っこさに繋がっており、馬鹿だけど可愛い後輩という感じでした。
会社設立前、宣伝の為にチラシをポスティングする事になっており、友人などと手分けして配布していました。
このポスティングに是非参加したいと、アキモト君も言ってくれました。
「無料で良いですよ」。
と言ってくれましたが、タダ働きはさすがに悪いので、少額手渡した記憶があります。
彼の自宅は我が社から遠く離れている為、我が家に一晩泊まる事にして、二日連続でポスティングして貰う事にしました。
前妻はアキモトを一目見るなり、見た目のチャラさと喋った感じで頭の悪い人間だという事を見抜き、有り得ないくらいの見下した態度を取り始めました。
まず私を裏に呼び出し、
「あの人あれで30代?チャラいんだけど。あんな人会社に入れたら倒産するわ!」
と言いました。
「ポスティングも手伝ってくれてるしさ、あいつあれで良い所あるんだよ。優しく接してくれ。頼むよ」
私は前妻に頭を下げて頼みましたが、前妻は言動で彼を完全に否定しました。
アキモト君が前妻に話しかけても完全に無視。
彼とは一切目を合わさずに、ずっと眉間にしわをよせていました。
極めつけなのは、アキモト君が風呂に入っていた時の事です。
彼が風呂に入っている間中、シャワーを出しっぱなしにしていました。
我が家のローカルルールでは、体を洗っている時にはシャワーを止めるという前妻が決めたルールがありましたが、アキモト君がそれを知る由もありません。
シャワーを出しっぱなしにしているアキモト君に腹を立てた前妻は、風呂の前でわざと彼に聞こえるように、ヒステリックにこう叫びました。
「シャワー出しっぱなしにして!水道代どんだけかかると思ってんの!」
風呂から出たアキモト君が、残念そうに私に言いました。
「エルさんの奥さんがあんな人だとは思いませんでした」。
「ごめんね。あいつ頭おかしいからさ、気に障ったのなら許してよ」
私はこうフォローしましたが、アキモト君が我が社に入社する事はありませんでした。
かなり傷ついたのでしょう。
彼とは暫くメールのやり取りをしていましたが、その後こちらが送っても返ってこなくなりました。
このように前妻には、私の友人を何人も消されました。
大切な友人は絶対に家に呼ばない。
そう決意した最初の出来事です。