カヨちゃんの事 | 私が不倫をした理由

私が不倫をした理由

ヒステリックなモラハラ妻との、まるで地獄のような20年間の結婚生活から離婚までの記録を綴っています。

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 猫ちゃんがこの記事「虎キチ、モラ美に一撃喰らわす」で、カヨちゃんの事に触れていたので、補足資料として本日はカヨちゃんの事を書こうと思います。

 

 

 

 カヨちゃんは、私が趣味のサークルに入っていた時に、知り合いました。

 共通の知人で、ウチノさんというご夫婦がいらっしゃり、私はウチノさんのご主人さんと、カヨちゃんはウチノさんの奥様と友人でした。

 私がウチノ家にお邪魔した時に、ちょうどそこに居合わせたのがカヨちゃんでした。

 

 

 

 当時私は20歳で、カヨちゃんは17歳だったと記憶しています。

 笑顔がとても素敵な、可愛らしいお嬢さんという印象で、私は不覚にも一目ぼれしてしまいました。

 

 

 

 カヨちゃんは外見が可愛いだけでは無く、人の悪口を一切言わない、よく笑うとても優しい人でした。

 でもちょっと周囲からは馬鹿にされるような、そんな人でもありました。

 恐らく、ごめんとすぐに謝罪する人だったので、軽んじられていたのだと思います。

 

 

 

 当時彼女には、大きな夢があり、その夢に向かって頑張って取り組んでいましたから、私がその夢の邪魔をしてはいけないと思って、告白しなかったのを覚えています。

 彼女の夢は独身の方が叶いやすかったのです。

 

 

 

 その後、私は前妻と出会い恋に落ちてしまうので、カヨちゃんとは仲の良い異性の友達という体になりました。

 

 

 

 結婚して、前妻が普通の人間では無い事が分かり、苦しい結婚生活になればなるほど、カヨちゃんの優しさが心に沁みました。

 私はカヨちゃんの、自分の夢に向かって突き進んでいる姿を尊敬していましたし、カヨちゃんは私の仕事や、サークルで成し遂げた業績を尊敬してくれていました。

 

 

 

 サークル内でも、私達はよくお互いに目が合いました。

 目が合うと、なにかそれだけで気持ちが通じたような気持になりました。

 責任者が話している時に、痰が絡み、その時にお互い目が合い、二人だけでクスっと笑うなどと言う事もありました。

 

 

 

 しかしある時、サークル内のヤマモトというもてない中年男が前妻に、この時の事を引き合いに出し、私とカヨちゃんが付き合っているようだと告げ口しました。

 

 

 

 私がカヨちゃんに好意をもっていると前妻に思われたら、カヨちゃんがどんな口撃をされるか分かりません。

 恐ろしくなった私は、カヨちゃんの事を守る為に、前妻の前でカヨちゃんの悪口を言いまくりました。

 実は前妻も、結婚後に同じサークルに入り、カヨちゃんとは仲良しだったのです。

 

 

 

 前妻が、

 

「カヨちゃんはケツがでかい。安産型だけど、あひるみたいで不格好」

 と言い出せば、

 

「そうだね、カヨちゃんはケツがでかいね」

 と言い、

 

 前妻が、

 

「カヨちゃんて、良い人なんだけど頭悪いよね」

 と言い出せば、

 

「そうだね、カヨちゃんは頭悪いよね」

 と思っても無い事を口にしました。

 

 

 

 思えば前妻は、カヨちゃんを中傷する事で、私のカヨちゃんへの気持ちを推し量っていたのでしょう。

 私がカヨちゃんを全く庇わずに一緒にけなした事から、前妻はヤマモトの告げ口を、単なるヤマモトの勘違いだと思ってくれたようです。

 

 

 

 ヤマモトの告げ口事件以降、私とカヨちゃんとの関係はどこかぎこちないものになってしまいました。

 お互いがお互いを意識的に避けるようになってしまったのです。

 

 

 

 それから数年後、私はサークルもやめ、新しい職場に勤めた時の事です。

 何と同じ電車に、カヨちゃんが乗って来たのです。

 

 

 

 私達はそこで、再び出会いました。

 ほんの二駅ほどの短い時間でしたが、私は毎日とても幸せでした。

 私は一駅前から乗るので、ホームにカヨちゃんがいるかどうか、毎回ホームを凝視していました。

 カヨちゃんはカヨちゃんで、電車の中にいるであろう私の事を探すように、キョロキョロと電車内を見回していました。

 お互いがお互いを確認し合うと、私は嬉しそうに微笑み、カヨちゃんは笑顔で小さく手を振りました。

 大好きなカヨちゃんと話せるその時間だけが、辛い日々を送っていた私の小さな幸せでした。

 

 

 

 ある時こんな事がありました。

 私が髭を剃り忘れ、無精髭を生やしていたのですが、カヨちゃんに

 

「あ、俺、今日髭剃り忘れちゃったよ。恥ずかしいな」

 と言うと、カヨちゃんは、私の無精髭を見て一言、

 

「可愛い」

 と言ってくれました。

 この時の彼女のはにかんだ笑顔は、今でも脳裏に焼き付いています。

 

 

 

 このやり取りが嬉し過ぎた私は、思わず前妻にカヨちゃんと同じ電車に乗り合わしている事、カヨちゃんに無精髭が可愛いって言われた事を、つい口に出してしまったのです。

 

 

 

 この晩の事を思い出そうとしても、思い出せません。

 恐らく私は、解離していたのだと思います。

 きっとあり得ないくらい私は罵られ、カヨちゃんもまた罵倒されたのでしょう。

 ただ一つだけ記憶にあるのは、カヨちゃんの話を聞いた時の、前妻の歪んだ表情だけはしっかりと覚えています。

 

 

 

 それ以降、カヨちゃんと電車で会った記憶はありません。

 カヨちゃんに前妻が忠告して、別の時間に乗るようにさせたのか、それとも私に別の時間帯の電車に乗るように命令したのか分かりませんが、前妻による何らかの妨害があったのでしょう。

 

 

 

 この時私は最大のミスを犯しました。

 カヨちゃんの携帯電話の番号を聞かなかったのです。

 

 では何故聞かなかったのか?

 何故ならこの時の私は、配偶者以外の異性の電話番号を聞くのも、不貞だと考えていたからです。

 

 

 

 その後、私は今住んでいる街に引っ越ししてしまい、カヨちゃんとはそれっきり会えなくなってしまいました。

 

 カヨちゃんに会いたい。

 カヨちゃんと話したい。

 

 そう、毎日切なく願っていました。

 しかしその願いが叶う事はありませんでした。

 

 

 

 私はずっと、このカヨちゃんという優しい女性と結婚していればと、後悔し続けました。

 実は猫ちゃんと一緒になった今でも後悔しています。

 それは猫ちゃんより、カヨちゃんの方が良かったという後悔では無く、もしも彼女と結婚していたら、子供たちも私の両親も傷つかなかったのになという後悔です。

 子供と両親が辛い思いをしたのは、前妻を妻に選んでしまった、私の選択ミスが原因でもあるのです。

 

 

 

 カヨちゃんはとても優しい人です。

 優しい人はまた、自己愛性人格障害の人間のターゲットにされる可能性が高いです。

 カヨちゃんが好きになった人が、モラハラ男であったのならば、確実に人生を食いつぶされます。

 

 

 

 彼女とはもう二度と会う事は無いでしょう。

 しかし彼女が、優しい男性と結婚して幸せな生活を送っている事を、ただ、ただ祈ります。