本日二本目の記事です。
まだ一本目をお読みになっていない方は、そちらも合わせてどうぞ→地獄のような結婚生活 その2「誓い」
私は長年、前妻からのモラハラを受け続けて来ました。
何故、もっと早く離婚をしなかったのか?と疑問に思う方も多いと思います。
実は私達は、共依存の形でお互いの思惑が一致していた為に、反発しているようで実はぴったりと密着して、お互いがお互いを必要としていたのです。
それ故、苦しい毎日を送りながらも、同時に幸せだと錯覚もしていました。
今日は、共依存と相互依存の違いと、私が前妻との関係で陥っていた関係性に関してご説明したいと思います。
ある特定の異性を好きになった当初は、相手のほんの一部分しか見えていません。
例えば顔が好みとか、明るくて優しい所が好きとかです。
しかしそれはその人を表すほんの一部の情報であり、深く付き合って行けば行くほど、最初の印象とは全く違ったと言う事もしばしばあります。
この恋をしている時期を、図にするとこんな感じです。
しかし共に時間を過ごす内に、相手の良い所だけでは無く嫌な所も見えて来ます。
ですがその嫌な所も許容した上で、お互いが相手を愛しお互いが自立している状態になると、相互依存と言う理想形になります。図にするとこんな感じです。
相互依存のカップルの愛は、見返りを求める愛では無く無私の愛であり、ただただ相手の幸福のみをお互いが考え、相手の事を第一に考えて示す愛です。
それは決して、
「俺がこれだけ愛したんだから、お前も当然愛してくれるよな」
とか、
「あなたが居なくなったら、私は生きていけない」
とか、
「こいつは俺が居ないと、何も出来ない奴だからさ」
とか、
「私を愛して」
とか、
「私はこんなに尽くしているのだから、もっと愛して下さい」
と言った、見返りを求める愛では無いのです。
そもそも、この人が居なくなったら生きていけないとか、こいつは俺が居ないと駄目な奴だからと言っている時点で、あなたもお相手の方も、自立出来ていないのです。
ですから、カップルの理想形である相互依存になる為には、まずは自立です。
精神的にも物理的にも自立していて初めて、相手に無私の愛を示す事が出来ます。
お互いが自立している状態で、尚且つお互いが見返りを求めない無私の愛を示しあって初めて、相互依存の状態となり理想の関係となるのです。
しかし実際には、相互依存のカップルや夫婦は極少数です。
ほとんどのカップルや夫婦は、共依存と言う状態になっています。
共依存は、お互いがお互いに依存し合い密着している状態です。
相手と自分の区別が無くなり、心理的にぴったりとくっついてしまっている状態です。
図にするとこんな感じです。
ぴったりとくっついていて、共依存は相互依存よりも良い関係では無いか。とあなたは考えますか?
共依存のカップルで多いのが、一方が超自立型で、もう一方が超依存型のケースです。
基本的には、超自立型が超依存型を背負う形になります。
実は私と前妻との関係がこれでした。
私はどちらかと言うと、若い頃からそれなりに稼いでいましたし、性格的にも男性脳で、女性は弱いから男が守るもの、責任感が強く、相手に過度の感情移入をしやすいタイプでした。
前妻は、男は好きな人を守って当然で女は守られるものと考えており、無責任で相手に責任を負わすようなタイプの人間でした。
前妻は私に過度に執着し依存しました。
その前妻の依存を、愛だと勘違いしてしまったのです。
それでも彼女が、優しくおっとりとした人であったのならば、私はその依存も受け入れ、共依存でもそれなりに幸せな家族生活を送っていたと思いますが、度重なるモラハラと猜疑心、浪費癖、子供への虐待などに耐え切れなくなり、離婚と言う決断をしました。
実はこれは私の、傲慢な性格故の失敗であるとも言えるのです。
私は仕事のスキルや能力も高く稼ぐ力がある。男としても女性を守る力もある。だから妻は自分が幸せにしてやると考えていました。
一見すると、とても男らしく素晴らしい思想のようですが、とても傲慢な発言でもあります。
これではまるで、女性は男の飾りのような物で、自立しなくても良いと言っているような物です。
実は超自立型の私は知らず知らずのうちに、超依存型の女性を求めていたのです。
依存される事を望み、それが愛だと思い込んでいたので、依存型の女性を渇望していたのだと思います。
そこに超依存型の前妻が現れます。
当初は二人の思惑は一致しました。前妻は私に寄生した生活を送り、私は彼女を背負う形で自身の欲求を満足させ、そうする事で愛を示していると感じ、前妻が私に依存してくるのを愛だと感じていました。
しかし、十年が過ぎる頃に無理が生じて来ます。
先に述べた様々な嫌がらせにより、彼女を背負っている自分の生き方に疑問を感じ始めます。
そこから大きく二人の関係は崩れて行きました。
超自立型の人間は、超依存型の人間に絡め捕られる人生を送る事が多いです。
兄貴分的な頼りがいのある者が、取り入る事しか能の無い様な屑のような人間に、金品を騙し取られたり、保証人になって苦労したと言う話をあなたもお聞きになった事があるかも知れません。
超自立型の人間は、超依存型の人間に依存される事を渇望し、超依存型の人間は超自立型の人間に寄生する事で共依存しているのです。
それは先程取り上げた図の通りです。
このように、ピッタリと密着し、もはや自分と相手の境界線すらも無くなり、異常な一致でお互いの欲望を補い合っているのです。
私と前妻の関係は正にこれであり、私は多くのモラハラを受けながらも、前妻の依存を愛だと勘違いし、共依存する事で満足していたのです。ですから20年間も離婚する事が出来ず、かと言って妻を愛する事も出来ずに苦しんでいました。
配偶者のモラハラやDVを受けながらも、相手から離れられない状況には、この共依存が大きく関係しており、まずは自立をする事によって相手の支配から逃れる事が可能になるのです。