てるてるあーちゃん
あーちゃんは、ながくつとカッパをかってもらいました。
だけど、はれたひがつづくのでつかえません。
わすれたころに、たいぼうのあめがふりました。
そのひはあーちゃんにとって、とてもたのしいひになりました。
「あーちゃん、こうやってピチャピチャするとね、ほらカッパもながくつも、どろだらけでしょ」
おかあさんは、みずたまりのなかでダンスをおどります。
あーちゃんもいっしょになっておどります。
カッパも、ながくつもどろだらけです。
あーちゃんは、かおにもかかってビックリしました。
それでも、メチャたのしいのです。
いそいで、おうちにかえると、おふろにはいります。
おかあさんが、わかしていたのです。
「カッパさんもあーちゃんもどろだらけよ」
「ママ、ピチャピチャってたのしいね」
「ピチャピチャするとね、カッパさんも、おようふくもよごれちゃうの」
「やってはいけないの」
「そうよ、やってはいけないの、おとうさんにはないしょよ、おふろのひはいいかもね」
「いいの、うわー、ママだいすき」
「そのかわり、カッパさんもあらってあげるのよ」
「うん、あーちゃんがあらうよ」
ふたりはさっぱりして、おふろからでました。
あめが、だいすきになった、あーちゃんですが、あすは、はれてほしいとおもっています。
ようちえんから、ゆうえんちにいくことになっているのです。
ふりつづいているあめは、やむけはいがありません。
「あーちゃん、あしたもあめだね」
「ええっ、ゆうえんちにいけないよ」
「そうだ、てるてるぼうずをつくって、あした、はれれにしてもらおうか」
おかあさんはテッシュをまるめて、あたまをつくります。
そして、マジックインキでかおを、かきます。
てるてるぼうずは、のきさきに、ひもでくくりつけられました。
「ママ、てるてるぼうずさん、かわいそう」
「どうしてなの」
「くびをつられているし、あめにぬれてる」
「そうみえるね、じゃあ、どうしようか」
おかあさんは、てるてるぼうずを、のきさきからはずしました。
そして、わりばしであしをつけます。
いえのなかには、かんようしょくぶつのうえきばちがあります。
そこに、てるてるぼうずをたてたのです。
「これなら、いいでしょ」
「うん、いいけど、あーちゃん、いいことをおもいついたの」
「どんなことなの」
あーちゃんは、おかあさんを、おふろばにつれていきます。
おふろばには、あーちゃんのカッパがほしてあります。
おかあさんに、おろしてもらって、おふろばで、カッパをきました。
「ほら、てるてるぼうずさんとおんなじ」
「ほんと、てるてるあーちゃんだ」
「てるてるぼうずさんには、ここにいてもらって、おかあさんもういちど、おそとにいこうよ」
「そうね、おふろのわかしているし、もういちどいこうか」
どうせ、あーちゃんのことだから、ピチャピチャをするはずです。
おかあさんも、ちょっとやりたくなりました。
だから、おとうさんのポンチョをきることにします。
あれなら、てるてるママになれそうです。
てるてるあーちゃんと、てるてるママはかさもささずに、でかけました。
「てるてるあーちゃん、てるあーちゃん、あしたてんきにしておくれ」
「てるてるママちゃん、てるママちゃん、あしたてんきにしておくれ」
ふたりは、うたいつづけけながら、こうえんで、ピチャピチャをたのしみます。
あめがやまないので、カッパはずぶぬれです。
ピチャピチャした、どろもあらいながされるほどです。
「あーちゃん、かえろ」
「うん、これでやむよね」
ふたりが、うたったことで、すこしだけあめがよわくなっています。
「あーちゃん、さむくない」
「うん、ぽかぽかしてるよ」
いそいで、おうちにかえりました。
おうちにいた、てるてるぼうずは、あめにぬれたふたりをみて、わらっているようです。
おふろでカッパをあらいました。
あそんで、どろだらけになっています。
「カッパさん、あしたは、はれるよね」
おふろにほすと、てるてるぼうずにみえます。
おふろからでると、あめは、こやみにかわっていました。
くもがすこしだけ、きれておそらも、みえているようです。
あしたは、はれるかもしれないとおもう、あーちゃんでした。
てるてるぼうずと、ダンスをおどっているゆめをみるのかな。
ハネ指が良くならないなあ。
私は30年以上前に難病に罹り、全身が針で刺されたような痺れがある。
難病に関しては「心の風景」に障害になって分かった優しさとしてtensiのハンドルで載せて頂いている。
URLは http://www.bekkoame.ne.jp/i/gb3820/ 左記なので時間があればお読み下さい。
この痺れが原因ではないが、この所「ハネ指」に悩まされている。
昨日は1日中雨で、出かけられずPC三昧。
気になっていた事を結構片づける事が出来た。
ただ、右の手の中指のはね指が酷くなっている。
マウスもキーもほとんど中指を使っている。
人差し指が、点滴の針で神経を痛めてから。
第1関節の指先に力が入らず、ほとんど曲がらない。
ハネ指でキーを打つと、曲がったまま戻らなくなる。
今は出来るだけ、人差し指で打つようにしているのだが。
人差し指で打つと、絶えず針で刺すような痛みが頭に響く。
中指でも同じなのだが、慣れると痛みの感じも鈍い。
鈍いと言うより、心地よいとは違うけど、余り気にならない。
人差し指だと、絶えず痛いので、気が付くと中指。
左だけで打てると良いんだけど、これもむつかしい。
左で打とうとすると、キーがどこにあるか分からなくなるから。
何でもだけど、慣れているのを変えるのはむつかしいようです。
障害も慣れると色々出来るようになりますが。
慣れるまでが大変です。
遣りやすいように身体も動こうとするので、変な動作になることも。
まあ、何でもだけど、きっちりするのはむつかしいですね。
あーちゃんはママがだーーーーーーいすき 3
あーちゃんは、りえままのきもちが、すぐにわかります。
おこっているとき、いらいらしているとき、うれしいとき。
だけどわからないときもあります。
りえままが、そわそわして、トイレに、はいりました。
なにか、わからないけれど、いやなきもちに、なったのです。
「いっしょにトイレにはいるぅぅぅー!!」
あーちゃんは、おおなきして、ついてきます。
りえままは、こまりました。
ふたりめのあかちゃんが、できたかもしれないのです。
だから、あーちゃんに、わからないように。しらべようと、おもったのです。
あーちゃんは、りえままのたいどに、ふあんを、かんじました。
だから、ぜったいに、はなれたくありません。
りえままは、おおなきしている、あーちゃんを、むりやりおいだしました。
あーちゃんは、とびらを、ばしばしたたいて、ないています。
なんだかわからないけど、りえままが、どこかに、いってしまいそうな、きがしたのです。
りえままは、こころのなかで、あーちゃんにあやまります。
そして、おなかのなかに、あかちゃんがいるか、けんさしました。
そうすると、おなかのなかに、あかちゃんが、いることがわかったのです。
あーちゃんが、できたときをおもいだして、ちょっとだけ、つらいきもちになります。
りえままは、おなかにあかちゃんが、いると、きぶんのわるいひが、つづくのです。
それでも、てんしのような、あーちゃんを、おもうと、がまんできるきがします。
うれしいきもちと、つらいきもちが、まざりあっています。
それでも、うれしさのほうが、たくさんでてきました。
あーちゃんは、りえままがでてきて、あんしんしました。
そして、うれしいことがあったのが、わかりました。
だから、ふあんだったきもちは、どこかにとんでいきました。
なかないで、りえままに、すなおにいえました。
「おかえりぃー!」
あーちゃんには、りえままの、こころのなかまでみえません。
だけど、りえままがうれしいと、あーちゃんも、うれしくなります。
だって、りえままが、いちばんだいじで、だいすきだからです。
りえままは、ふたりめができて、あーちゃんがしんぱいです。
あかちゃんを、どうおもうのか、きになりました。
だから、おひるねのときに、そいねしながら、きいてみました。
「もし、あかちゃんがきたら、どうする?」
あーちゃんは、しばらくかんがえました。
「だっこ、だっこするの」
「だっこ、だっこしてくれるの?」
「うん。スキスキ、チューするの」
りえままには、あーちゃんが、ほんとうにわかっているのか、しんぱいです。
だけど、あーちゃんのことばで、すこし、あんしんしました。
これからは、あーちゃんのめんどうをみながら、おなかのあかちゃんも、きをつけなければいけません。
ちょっと、ふあんなりえままですが、あーちゃんのねがおを、みていると、ファイトがわいてきました。
あーちゃんは、ゆめのなかで、まだみぬあかんぼうを、だいていました。
そしてスキスキ、チューもしました。
(りえまま、しっかりしてね、あーちゃんがいるから、だいじょうぶだよ)
あーちゃんは、りえままがだいすきです。
いつまでも、だいすきな、りえままと、いっしょだからね。
ゆめのなかでも、あーちゃんはりえままと、いっしょなのでした。
おわり
あーちゃんはママがだーーーーーーいすき 2
あーちゃんは、りえままが、だいすきです。
それでも、きらいに。なることもあります。
こうえんに、りえままの、ままさんなかま、ふたりと、いったときのことです。
こうえんは、ひろくて、はしりまわれます。
それでも、あーちゃんはりえままが、みえるところしかいきません。
ゆうぐのあるところに、おおきなおにいちゃんや、おねーちゃんがいると、さけてはしります。
もっと、おおきなおにーちゃんや、おねーちゃんがくると、りえままのそばにもどります。
ままさんなかまの、こどもはふたりとも、おとこのこです。
あーちゃんは、ふたりについて、はしりまわります。
だけど、すぐにはなされてしまいます。
ひとりになると、りえままが、みえるところにいます。
そして、おとこのこがみえると、ついていくのです。
すべりだいで、あそんでいました。
あーちゃんが、すべろうとすると、したから、りえままのおともだちの、おとこのこが、あがろうとしています。
あーちゃんは、すべりだしていたので、とっさに、おとこのこをおしました。
すべりだいの、いちばんしたでしたが、おとこのこは、しりもちをついて、なきだしました。
びっくりして、りえままも、おとこのこおかあさんも、とんでいきました。
さいわいけがもなく、すぐになきやみました。
おとこのこのおかあさんは、わるいのがわかっているので、あーちゃんをせめません。
りえままは、それでも、おともだちにあやまりました。
わるいのは、おとこのこですが、けがでもしたら、たいへんなことです。
りえままは、あーちゃんにも、あやまるように、いいました。
「あぶないから、おしたらだめよ」
「・・・・・・・・」
「ごめんね、ってあやまってね」
「・・・・・・・・」
「けがしたら、いたいでしょ」
「・・・・・・・・」
あーちゃんは、なぜあやまるのか、わかりません。
わるいのは、おとこのこだと、おもっています。
なんども、なんども、りえままはいいます。
それでも、いやいやしか、できません。
りえままが、きらいになって、ちょっと、かなしくなりました。
あーちゃんも、なかしたのは、わるかったとおもっています。
だけど、わるくないのに、すぐにあやまれません。
おうちに、かえるころになって、きもちがおちつきました。
だから、おとこのこと、だきあって、やっといえたのです。
「ごめんね、ごめんね」
あーちゃんは、なんどもあやまりました。
りえままの、かなしいかおを、みたくなかったからです。
ちょっと、きらいになったけど、やっぱり、あーちゃんは、りえままがだいすきなのです。
すきだけど、すなおになるには、じかんがかかるようです。
あせをかいていたので、シャワーでからだをきれいにしました。
だけど、つかれたのかそのひは、ゆうしょくをたべずに、ねてしまいました。
りえままが、いそいでしたくしたのに、まにあわなかったようです。
あけがた、りえままは、はやくおこされました。
そして、あーちゃんがいったことばは、なんだったとおもいます。
「ミルクくだしゃい!」
かわいいてんしには、りえままも、まけてしまいます。
あすにつづく
あーちゃんはママがだーーーーーーいすき
あーちゃんは、もうすぐ、にさいになります。
ことばも、すこしはなせるし、たってあるくこともできます。
りえままにとって、めのなかにいれても、いたくないほど、かわいい「てんし」です。
あーちゃんは、りえままがだいすきです。
いつも、りえままを、みつめています。
おじいちゃんと、おばあちゃんが、あそびにきました。
あーちゃんは、どちらもおなじくらいすきです。
「おじいちゃん、あそぼ」
「おおー、あーちゃん、おおきくなったね」
「ほんと、おおきくなって」
「おばあーちゃんも、あそぼ」
ふたりがくると、あーちゃんはりえままのそばによってきません。
りえままが、なにかいっても、そっぽをむきます。
「だっこしてあげる」
りえままは、やきもちを、やいてこえをかけます。
あーちゃんは、きこえないふりをします。
いつもの「チュー」もしてくれません。
(フン!いいもんね)
りえままは、こころのなかでつぶやいています。
ひごろは、うるさいと、おもうことがあるのに、ふくざつなきもちです。
それでも、こころのなかの、こえはとまりません。
(おじいちゃんも、おばあちゃんも、かえったら、ふたりになるんだからねー。しらないよーだ)
あーちゃんは、りえままが、そばにいるからあんしんしています。
りえままも、わかっているのに、ちょっぴりさびしくなります。
それでも、いいこともあります。
かじが、はかどったり、ゆっくり、しょくじできるからです。
「あーちゃん、たべようか」
「ママはいいの」
あーちゃんは、ふたりがいると、りえままがてを、だすとおこりだします。
「おじいちゃんが、するのぉー!」
「おばあちゃん、あーんさせてぇー」
りえままは、あきれてみています。
そして、ゆっくり、たっぷり、たべることにしました。
(ありがたや、ありがたや)
りえまま、はこころのなかで、かんしゃしています。
あーちゃんにもふたりにも。
あーちゃんは、あーちゃんなりに、きをつかっています。
だから、しょくじがおわると、つかれてねむくなります。
あーちゃんも、こころのなかで、りえままにいいます。
(ママ、あーちゃんもきをつかってるんだからね、わかってよね)
あーちゃんは、いつもより、はやくねてしまいました。
あーちゃんは、りえままがそばにいるだけで、あんしんできます。
だから、すぐにねることが、できるのです。
明日に続く(明日がいつになるかはお楽しみかな)
正月惚けで頭が鈍いみたい
昨日、今年初めてのパソボラに行ってきた。
市と共催しているパソコン相談サロンだ。
二人の方を受け持ったけれど、分かっているのにすぐに対処出来なくて。
PCも違うし使い方も違うので、疑問も違う。
だけど、想像も出来ないことを聞かれると?ですぐに出てこない。
まあ、50分の相談では、疑問には仲間もいるし何とかなるのだが。
ソフトの詳しい操作までは出来なくて、ちょっと申し訳ない気持になる。
自分自身で疑問に思わない事もあるので勉強になるけど。
疑問に思わないことを聞かれると、すぐに対処出来ない。
昨日は、仲間のお陰で喜んで帰って貰ったから良かった。
お正月早々だったので私自身も、惚けていたような気がする。
PCってやればやるほど分からなくなるようだ。
ぼちぼち、頭も平常に戻したいものだ。
のぶ君のお年玉
昭和二〇年頃のお話しです。
私はみんなから、のぶちゃんと呼ばれるガキ大将でした。
ガキ大将だけどのぶ君は泣き虫でした。
何故かと言うと男の子では一番年上でした。
それだけではなく三ヶ月ほど上に兄弟みたいに育った女の子がいました。
その女の子が強くてみんなから守ってくれたのです。
年が明けてお正月になりました。
のぶ君はみんなが起きる前に起きています。
「のぶ君、早いのね」
お母さんとおばあちゃんがが起きてきました。
のぶ君は一人っ子で家族は三人だけです。
「そのポチ袋どうしたの」
「うん、ちょっとね」
「お年玉一杯貰おうとしているの」
「もう、五月蠅いなあ、これ僕のお金で買ったんだかからね」
お正月はお年玉が貰えます。
だから、早く起きたのですが、それだけではないようです。
のぶ君はポチ袋に何かを入れています。
お母さんは朝の支度があるので、気になりながらものぶ君から離れます。
「あけましておめでとうございます」
「あけましておめでとうございます」
「はい、お年玉」
お母さんとおばあちゃんからお年玉です。
テレビもない頃なので、食事が終わるとすることがありません。
「のぶ君、花札でもする」
「ううん、10時になったら出るの」
「お正月から遊ばないでしょ」
「うん、そうかも知れないけど、みんなと約束したから」
「また、投げ玉とかするんでしょ」
「ううん、今日は渡す物があるの」
のぶ君は一〇時前になるといつもの場所に行きました。
なかなか、みんなはやって来ません。
「のぶちゃん、ごめん」
しげおちゃんが、走ってきました。
「今日は遊べないから」
「ちぇ、仕方ないなあ、はい、これ」
のぶ君はポケットからポチ袋を出しました。
そして、そのまま地面に落としたのです。
「のぶちゃん、それ、なんのまね」
しげおちゃんはポチ袋を拾います。そして、中を見ました。
「あー、これ」
それは、のぶ君が大事にしている綺麗で大きなビー玉でした。
「ぼくからの落とし玉だからね」
「うん、ありがとう」
しげおちゃんは喜んで帰って行きます。
1時間ほどしてのぶ君は帰ってきました。
寒いのか唇が紫色です。
それに、何だかしょんぼりしています。
「早かったのね」
「うん、みんな用事があるって」
みんなにお年玉をあげることは出来ました。
だけど、遊ぶことは出来なかったのです。
「お正月はみんなの所は忙しいからね」
「・・・・・・・・・・」
「しょぼくれていないで、遊びましょ」
「うん」
「そうそう、朝早くから何をしていたの」
「ないしょ」
のぶ君は3人で一杯ゲームをしました。
その夜でした。
遊びすぎたのか、寒い中で風邪を引いたのか熱が出たのです。
「この子ったら、いつもそうなんだから」
翌日同い年のしょうちゃんとふみちゃんの姉妹が来ました。
のぶ君をいつも守ってくれている女の子です。
遊べなかったので気になって遊びに来てくれたのです。
「ごめんね、のぶ君熱出して寝ているの」
「ほんと、じゃあ遊べないね」
「今日はダメみたい」
「じゃあ、これのぶちゃんに渡して」
「あれ、これポチ袋よね」
「うん、昨日のぶちゃんに貰ったの」
「あの子が」
「うん、落とし玉って」
「ふーん、中に何が入っていたの」
「これ」
しょうちゃんとふみちゃんが見せてくれたのは、のぶ君が大事にしているビー玉でした。
きらきら輝いている一番大きなビー玉です。
「ふーん、あの子がね」
二人のポチ袋には可愛い小さなお人形が入っていました。
「はい、これ」
「これ、僕があげたお年玉」
「しょうちゃんとふみちゃんが遊ぼうと持ってきてくれたのよ」
近所のお友達もしょうちゃんから聞いたのかお年玉を持ってお見舞いに来ました。
みんなのお年玉で早く治したいと思うのぶ君なのでした。
今年の抱負かな
お正月も終わってしまいました。
お正月のうちに今年の抱負を決めたかったのですが。
夢は一杯あって、夢の実現が最優先だけど。
具体的にどうすれば良いのか、いつも迷ってしまいます。
私の好きな言葉に「風まかせ」があります。
辻さんに書いて貰った書も飾っています。
好きな言葉なので、今までは、これをもっとーにしていました。
だから、吹く風は拒まずで、出来ることは何でもやってみました。
何でもやったことで、自信もつき、色々な成果もあったのですが。
自分の夢まで手が回らず、後回しになってしまいました。
夢の為には色々な風に乗るのも良かった事だと思っています。
だけど、気持は焦るばかりでした。
今年の抱負も「風まかせ」で色々やってみるつもりですが。
今年は乗る風を選んでみたいと思っています。
木枯らしの憂鬱
木枯らしはいつも一人ぽっちで冬の空を駆け回っています。
木枯らしの友達は雲や太陽が出たときの日溜まりです。
雲が太陽を隠すと、木枯らしが雲を吹き飛ばします。
そうして子供達が外に出やすいようにしています。
昔はどんなに寒くても家に閉じこもっている子供はいませんでした。
木枯らしが吹いても元気に遊び回っていたのです。
だから、木枯らしも子供達と遊び回って楽しく過ごせたのでした。
「雨雲君、今日は雨を降らすのか」
「場所によっては降らすけど」
「そうか、雨が降ると、誰も外で遊ばないからなあ」
「木枯らし君は、人間の子供が好きなんだな」
「僕はみんな大好きだよ、虫さんや、動物さんには冬が来たって教えてるんだからね」
「そうだけど、何か憂鬱そうだよ」
「うん、昔は子供達と遊び回れたからね」
「そうだな、わしも良く子供と遊んだよ」
「やあ、日溜まり君、やっと出てきたね」
「木枯らし君の動きが早いから、すぐに雲さんが来るからね」
「今は家の中も温かいからなあ」
「そうなんだ、木枯らし君が入り込まない日溜まりにたくさん子供がいたんだけどね」
「僕は日溜まりがうらやましかったなあ」
「どうしてだい」
「だって、すぐに子供が寄って来るんだから」
「僕は、木枯らし君が羨ましかったよ」
「どうしてだい」
「だって、雲君にも邪魔されないし、自由に動き回れるんだから」
「そうだけど、僕は近づくとみんな、寒いって逃げるんだから」
「おいおい、僕は雨を降らしたり、日溜まりの邪魔したりで悪者なのか」
「そうじゃないよ、もっと寒くなると雪を降らして喜ばれるのは雲君じゃないか」
「そうだな、雲君が一番子供達に好かれるかも知れないなあ」
可愛い女の子がお父さんとお母さんに連れられて公園にやってきました。
ちょっと広い公園でも野球出来るほど広くはありません。
時々ゲートボールの老人が集まっているようです。
「貴方、寒いから帰りましょ」
「折角来たんだから」
「女の子なんだから、凧揚げなんて」
「子供は風の子、少しくらい外に出て遊ばないと弱い子になってしまう」
「それでも、木枯らしが吹いて寒いから」
「木枯らしが吹いても、ほらそこに日溜まりがあるからね」
木々の間にかっこうの日溜まりがあります。
木枯らしも流石に入り込めないようです。
「母さんはそこにいたらいいよ」
「嫌よ、一人でいるなんて」
「まりでもこの凧なら揚げられるんだから」
お父さんはゆりかもめの凧をまりちゃんに持たせました。
この凧はバイオカイトと言って少しの風でも揚がります。
走らなくて良いから簡単に揚がります。
お父さんがインターネットで探して買ったのです。
寒いからと家に閉じこもっていたら、丈夫な子に育ちません。
だけど外で遊ぶには何かないと駄目です。
だから、小さなまりちゃんでも遊べる凧を探したのです。
公園をお日様の光が照らしています。
雲は少し離れた場所で見ています。
日溜まりはすごく温かそうです。
木枯らしも出番を待っています。
「まり、いくよ」
ゆりかもめの凧はどんどん高く揚がっていきます。
木枯らしも上空で凧をどんどん上に揚げます。
「すごい」
「すごいね、かあさん」
まりちゃんは走り出しました。
走らなくても揚がりますが、飛んでいる凧を見ていると走りたくなりなるのです。
お父さんもお母さんも走ります。
雲がお日様を隠して日溜まりは消えました。
木枯らしが走りまわっています。
「お父さん、すごいね」
「すごいだろ、温かくなっただろ」
「うん、温かくなったよ、それに面白い」
雲から太陽が顔を覗かせました。
日溜まりが戻ってきましたが、三人は公園を走りまわっています。
雲がすまなそうに、木枯らしと日溜まりに謝りました。
小さな雨がポツンポツンと降ってきたのです。
「雨だ、帰りましょ」
「うん、帰るよ、まり」
「もう少ししたい」
まりちゃんの言葉を無視して、お父さんは凧を回収しました。
そして大急ぎで家に帰ったのです。
家に着くと大粒の雨に変わりました。
三人が帰り着くまで雲は待っていたようです。
「ありがとう、雲君」
「良かったね、遊ぶ子供もこれで増えるかもしれないよ」
「そうだね、やっぱり子供は外で遊ばないとね」
「僕の出番もあるみたいだね」
「そうだよ、日溜まり君が一番好かれるからね」
「もうすぐ、雲君の出番が来るね」
「ああ、子供が待ち遠しいと思っているからね」
木枯らし君の憂鬱もまりちゃん一家の凧揚げで少しは解消したようです。
木枯らしも雲も日溜まりも子供が外に出てくれるのを待っています。
寒くても大人は子供と外で遊びましょう。
そうすれば、木枯らしや日溜まりと友達になれるかも知れません。
もうすぐ雲さんが雪を降らしてくれるよ。
冬のお天気を嫌いにならないで友達になってくれるのを、みんな待っているからね。
ろうそくの不思議
まあちゃんはろうそくがすきです。
はじめてろうそくをみたのは、三さいのおたんじょうびでした。
おじいちゃん、おばあちゃん、おかあさん、おとうさんとまーちゃんの五にんいます。
だいすきなケーキに、ふしぎなぼうが、三ぼんたっています。
「おかあさんこれなーに」
「これはろうそくよ、三さいだから、三ぼんなのよ」
まーちゃんには、ろうそくがわかりません。
おとうさんが、ろうそくにひをともします。
そして、おかあさんがへやのでんきをけしました。
すると、ケーキのまわりだけあかるくなり、みんなのかおがぼーっとみえます。
くらいなかで、みんながやさしく「おめでとう」といいました。
ろうそくのほのおは、いきをするたびに、ゆらゆらゆれ、みんなをてらします。
おとうさんがへやのでんきをつけました。
「これからも、すくすくそだつように、ろうそくのひをけしなさい」
まーちゃんは、ろうそくのひを、もういちどみたいとおもいました。
でんきをつけると、あかるすぎて、ほのおがあまりみえないのです。
「おかあさん、でんきけして」
「もう、あーちゃんたら」
そういいながらも、おかあさんはでんきをけしてくれます。
でんきがきえると、ろうそくのほのおにてらされたおへやになりました。
みんなのかおも、ゆらゆらゆれています。
まーちゃんが、みているあいだ、みんなしずかにみまもっています。
ケーキにたてたろうそくは、ちいさくなりケーキのそばまできています。
「まーちゃんふきなさい」
おかあさんはさけんでいました。
まーちゃんはびっくりして「ぷーっと」ふきました。
へやのでんきを、けしていたのでまっくらになったのです。
まーちゃんは、びっくりしてなきだしました。
「わーん、わーん」おおきななきごえです。
おとうさんがすぐにでんきをつけました。
だけど、あかるくなっても、なきやみません。
みんなは、もういちどろうそくをつけることにしました。
おばあちゃんが、おぶつだんのろうそくを、おさらのうえにたて、ひをともしました。
そしてへやのでんきを、けしました。
ケーキのろうそくより、おおきくまえよりもあかるくなりました。
それをみているうちに、まーちゃんのなみだがとまってしまったのです。
よろこぶかおをみて、おかあさんがおもいだしました。
「そうだ、けっこんしきでもらったろうそくがあったはずよ」
おとうさんもおもいだして、ものいれをさがしてきました。
「わーおっきくてきれい」
まえには、はなのえ、うしろには、せんがひいてありました。
「けっこんきねんびに、ともすろうそくだからおっきくてきれいのよ」
ろうそくはあたらしいままでしたが、おとうさんがひをつけてくれました。
ちいさいのとおおきいので、へやはよりあかるくなりました。
ろうそくのほのおのなかでみんなでケーキをたべます。
まーちゃんは「おいしい」とさけんでいました。
たべたあと、おいわいにもらったごほんをおかあさんによんでもらいます。
あかるいところより、ろうそくのひで、たのしいいのです。
おかあさんに、なんどもよんでもらいました。
ちいさなろうそくはきえそうになりましたが、おおきなろうそくはすこしみじかくなっっただけです。
おおきなろうそくは、おおきく、ちいさく、おはなしにあわせてもえています。
「このろうそくしゃべってる」
「ほんとうだわ、しゃべってる」
おとうさんが、しゃべるわけを、おしえてくれました。
「このえんぴつをみてごらん、すじがあるのがわかるかな」
「うんわかる」
「おおきなろうそくも、みえないけれどすじがあって、おしゃべりするんだよ」
あまりよくわかりません。
「みてごらん、ほのおのした」
「おみずがある」
ほのをのしたには、みずのようなものがゆれています。
「あついから、さわったらだめよ」
おかあさんにいわれて、びっくりしてさわるのをやめました。
おとうさんがおさらに、ろうをたらしました。
かたまったろうそくにさわってみます。
「ほら、かたまるとすこしあついのがわかるかな」
「うんちょっとだけあつい」
「とけたろうはすごくあついからさわったらだめだよ」
「うん、わかった」
「しょくんにんさんは、あついろうをなんかいもぬってふとくするから、おしゃべりするようになるんだ」
「たいへんだね」とまーちゃんはおもいました。
だけどまいにちでもろうそうそくをつけてほしいとおもいました。
このおたんじょうびのおもいでは、ずっとわすれることはありません。
ほんをよんでもらうときはかならず、おおきなろうそくをつけてもらうようになりました。
ろうそくは、いつもまーちゃんとおはなしします。
おおきくなってもずっといっしょです。
ろうそくのほのおをみていると、こころがすごくおちつくのです。
このことをみんなにしってほしいと、まーちゃんはおもっています。