春の幸せ | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/3/16

 

花は桜木 人は武士。

 

桜の開花宣言が待ち遠しい季節となりました。
待ちに待ってやっと咲いた桜も、咲いたかと思うとあっという間
に散ってしまいます。

 

その散り際の潔さからか、桜は、辞世の歌としてよく採用されます。
以下、いくつか例を引きます。

 

 願はくは 花のもとにて 春死なむ 
        その如月の 望月のころ  ・・西行

 

 ちりぬべき 時知りてこそ 世の中の 
        花も花なれ 人も人なれ  ・・細川ガラシャ

 

 限りあれば 吹かねど花は 散るものを
         心短き 春の山風     ・・蒲生氏郷

 

 風さそふ 花よりもなほ 我はまた 
        春の名残を いかにとやせん  ・・浅野内匠頭長矩

 

 散るをいとふ 世にも人にも さきがけて
         散るこそ花と 吹く小夜嵐  ・・三島由紀夫

 

美しいうちに惜しげもなく花を散らせる桜の潔さは、日本人の美学
にしっくりくるものなのでしょう。
辞世に委ねる心情にも共感できるものがあります。

 

「花は桜木 人は武士」は、とんち話でおなじみの一休和尚による
ものです。
それぞれの一番を語った一部で、この後に続きがあります。

 

花は桜木 人は武士 
  柱は檜 魚は鯛 小袖はもみじ 花はみよしの

 

さくら鯛を魚に一杯やりながら、気の合う仲間と吉野の夜桜見物を。
差しつ差されつ、杯に浮かんだ桜の花びらもろとも、ぐいっと清酒
を呷っては、高歌放吟する。
花冷えで凍えた体は、檜風呂にざんぶとつかって芯から温める。

 

これぞ日本の、春の幸せ!