2011/2/22
2週間ほど前の世界一番紀行(BSNHK)で放送していました。
『世界で一番“遠い”島 トリスタン・ダ・クーニャ』
南大西洋に浮かぶ、英領トリスタン・ダ・クーニャ島は、
人が定住する他の陸地から、世界で一番遠い有人島です。
一番近い南アフリカのケープタウンからも2000キロ以上
離れています。
空港がないこの島に行くためには、ケープタウンから貨物
船に乗っておよそ1週間かかります。
島を訪れる貨物船は1年に10回しか運航していません。
絶海の孤島トリスタン・ダ・クーニャには、様々な理由で
世界各国から住みついた267人の住民がいます。
この島には、最初の入植者でリーダーだったウィリアム・
グラス氏が定めた共同体の合意書があります。
・島の資産および所有物はそれぞれが平等に所有する。
・島に関連する収益は平等に分配される。
・島に関連する出費は平等に負担する。
小豆島ほどの広さの島に、僅かしかない平地の牧草を絶や
さないために、羊の数は島民ひとり当たり2頭と決められ
ています。
1年間にひとりが食べる分のじゃがいもを収穫できる農地
が、各家庭に人数分だけ割り当てられています。
島で唯一のスーパーマーケットにストックされた食料は、
不測の事態には全員に平等に配分されることになってい
ます。
島の大部分の面積が火山に占められ、常に強風に晒されて
いるトリスタン・ダ・クーニャは決して豊かな島ではあり
ません。
しかし、島民が皆それぞれの役割を応分に負担し、思い
やって生きいる姿は感動的です。
ぽつんと孤立した小さな島で実現できている一つの理想郷
が、宇宙規模で見れば、ほんのちっぽけな存在に過ぎない
地球上でも実現できるに違いない、と信じたくなる番組
でした。