小学1年生の広告 | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/7/23

「第60回 朝日広告賞」の一般公募で入選した、「小学1年生」の広告
が話題になっています。

漢字の書き取り問題の間違いを添削してあるテスト用紙の一部という
体裁なのですが、漢字と間違いを指摘している文が絶妙なのです。
こんな具合です。

【年金】・・・「金」の2画目が短すぎるので赤ペンで長く書き足して
    あります。添削文は【きちんと払う】。

【円高】・・・「円」の2画目の最後の跳ねが上の方まで高く伸びてし
    まっています。添削文は【あげすぎない】。

【国会】・・・「会」の(二)の上下の間隔がほとんどなくくっついて
    見えます。添削文は【はっきりはなす】。

【首相】・・・「首」の(目)の横棒が1本多く書かれています。添削
    文は【多すぎる】。

【節電】・・・「電」の(田)から下の部分が(田)と離れて書かれて
    います。添削文は【つづけよう】。

文章で表現するとあまり面白さが伝わらないかもしれません。
しかし、ここには今の日本の問題点がすべて集約されて出ているのです。

年金はきちんと払わなければきちんと払ってもらえませんが、たとえ、
きちんと払っても、きちんと払ってもらえないのではないかという不信
感が、きちんと払わない原因になっているのです。
それでもまず払うべきか、払わざるべきか、国民はいわば『ハムレット』
の心境なのです。

「上げすぎない」といって円高が是正されるのなら結構ですが、日銀の
中途半端な介入だけでどうにかなるわけではありません。
跳ねあがり娘をおとなしくさせた『じゃじゃ馬馴らし』のようなわけに
はいきません。

国会でははっきり話してもらわなければ困りますが、話しているばかり
でもまた困ります。国会は魑魅魍魎の世界とはいえどうも登場人物
が、皆、小物すぎるように感じます。
いっそ『リチャード3世』のように、アクが強くとも実行力のある人物
に身を委ねたくなるのです。

次から次に変わって、ほんと首相多すぎます。
誰のことを考えてみても『ジョン王』や『リア王』を思い浮かべてしま
うのは私だけでしょうか。

いつの間にやら原発も稼働し、節電の掛け声も去年よりだいぶトーン
ダウンしています。
しかし、せっかく身についた節電の習慣は是非【つづけよう】と思いま
す。
蒸し暑い夜はさっさと寝て、『夏の世の夢』でも見ることとしましょう。


☆「小学1年生」の広告。実際の作品をご覧になりたいからは以下から
 どうぞ。
 http://news.mynavi.jp/news/2012/07/19/086/