髪の毛を切らない美容院 | 店舗探し.comの過去コラム

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2010/07/21

読む映画と言うのがぴったりです。

『血のケープタウン』
    ロジャー・スミス著 早川書房

アメリカからケープタウンにやってきた逃亡犯家族の家に
強盗が押し入った事に端を発し、事件を目撃した元ギャング
や悪徳警官・・・などが入り乱れて、南アノワールが、息も
吐かせぬ勢いで展開されます。

私達からすればまさに映画の中の出来事のようですが、アパ
ルトヘイト撤廃後の混乱で、治安の悪さは世界一とも言われる
ケープタウンでは、ありふれた日常を描いたノンフィクション
に過ぎないのかもしれません。

著者は、南アフリカ共和国ヨハネスブルグ出身の作家です。
もともとはテレビや映画のプロデューサー、監督、脚本家
として活躍した人です。

字ばかりが並ぶ小説なのに、頭の中に鮮やかに映像が浮かび
上がるのは、彼がもともと頭に描いた映像を文章化したから
なのでしょうか。
ちなみに本書は、映画化が決定したそうです。

ダイエーの創業者中内功氏は、福岡ドームを作るときに、

「(ドーム以外の施設があまりに充実していて)観客が野球を
 見ない球場を作りなさい!」

と指示し、ホテル業に進出するときには、

「コンセプトは宿泊客を(楽しくて)寝かさないホテルにする
 こと!」

と命じたそうです。

観る読書、眠れないホテル、観客が野球を見ない野球場・・・
ありきたりな常識に縛られて、斬新な企画が思い浮かばない
時には、応用が利く発想法かもしれません。

食べることを忘れてしまう飲食店、珈琲が美味しい雑貨屋さん、
髪の毛を切らない美容院(?)、肩が凝るリラクゼーション
サロン(??)・・・

あまりボロが出ないうちに、今日はこれまでにしましょう。