2013/10/15
【キャリアポルノ】という言葉をよく見かけるようになりました。
キャリアポルノは造語ですが、これを作った谷本真由美さんに
よると
「自己啓発本を読んで楽しむだけで、自分で行動しないで
成功体験を妄想して欲望を満足させること」
と定義されています。
谷本さんの著書『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新書)
では、自己啓発書を8パターンに分類しています。
①説教系・・・成功した経営者による「人生こうあるべき」との
説教書。
『道をひらく』(松下幸之助)など。
②俺自慢系・・・「俺はこうやったから成功した」「親は5回離婚
して俺は捨て子だった」と自分の人生をさらけ出す自慢本。
『成り上がり』(矢沢栄吉)など。
③変われる系・・・「物事がうまくいかないのはあなたがクズ
だからです」「前向きに考えればきっと平気」と無責任かつ
脈絡のないことを延々と繰り返し、読者を洗脳する書籍。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう~あなたの5つの強みを
見出し、活かす』(マーカス・バッキンガム他)
④やればできる系・・・「ノートはこのように使え」など基本的な
ノウハウから「全地球規模で考えろ」などの理解不能なもの
まで、大金持ちになった人などが実践していると自称するノウ
ハウを紹介して「あなたにもできる」と錯覚を起こさせる書籍。
『普通の人がこうして億万長者になった~一代で富を築
いた人々の人生の智恵』(本田健)など。
⑤儲かる系・・・金儲けのノウハウを説明した本。しかし、ノウ
ハウの肝心な部分は自分で調べなければならなかったり、著者
のセミナーや通信講座を受けないと学べないようになっている。
『働かないで年収5160万円稼ぐ方法』(川島和正)など。
⑥信じる者は救われる系・・・「人生がうまくいかないのは
オーラがないから」「宇宙人にお願いしましょう」などと、
自己研鑽の世界を飛び越してしまっている本。
『宇宙に上手にお願いする法』(ピエール・フランク)など。
⑦エンタメ系・・・従来からある自己啓発書を物語や漫画など、
お笑い系の読み物にした書籍。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジ
メント」を読んだら』(岩崎夏海)など。
⑧ノマド系・・・「ネットで知名度を上げれば仕事が来る」、
「ノートパソコンがあれば仕事はどこでもできる」など
リアリティーに欠けている本。
『モノを捨てよ 世界へ出よう』(高城剛)など。
これらの【キャリアポルノ】、読むことはありますか?
白状すれば私は、①~⑧のどれも、かなり熱心に読んでいる方
かもしれません。
しかし確かに、話題の本を読んだことでほっとすることは
あっても、何か重大な真理に気付かされたこととか、触発
されたことはほとんど無かった気がします。
しかも、この手の本はあまり外に持ち歩いたりせず、家の中
でこそこそと読み、読んだことを人に話したこともありません。
思春期に隠れ読んだポルノ雑誌同様、どこか読むことに後ろ
めたさを感じるところに、キャリアポルノの弱さがあるのかも
しれません。