2011/8/31
私たちの体の中では、常に細胞の生と死が繰り返されています。
成長していく過程では、傷ついた細胞などが自ら死んでいく、「アポトー
シス」が起こって、体が形づくられていくのだそうです。
これは先週NHK教育テレビで放送された『サイエンスZERO』からの
受け売りです。
例えば昆虫が幼虫から成虫へと成長する過程においては、細胞の
振る舞いは、必ずしも設計図通りに整然と進行するわけではないの
です。
細胞同士の生存競争やアポトーシスを、試行錯誤しながら繰り返して
新しい組織を作り、属する昆虫の生命を支えていくのです。
歯車にもたとえられる、企業を構成する一人ひとりの社員が切磋琢磨
し、状況に応じて人事を刷新しながら、企業全体の力を強化していくの
と似ています。
企業もまた、それぞれが生存競争を繰り広げ、脱落した企業の屍を
乗り越え、弱った企業は飲み込んでいきます。
企業同士のつばぜり合いが激しければ激しいほど、その企業のある
国全体が沸騰し、活況を呈するのでしょう。
そして、世界各地で繰り広げられる国同士の局地的な切磋琢磨による
おしくらまんじゅうは、世界全体を生き生きとさせていくのです。
グローバル社会からミクロの細胞に至るまで、マトリョーシカのような入れ子細工を構成する一員として、私たち人間は存在しているのです。
60兆ある細胞が繰り広げる数多の「アポトーシス」のおかげで私たちが
生かされているように、世界を構成する細胞のような存在である私たち人間も、目前の仕事に最後まで全力で取り組み、いずれ迎える自ら
の“アポトーシス”を完璧な形で実現することで、より良き地球に貢献することが出来るのでしょう。