覇権争いはいよいよ過熱! | 店舗探し.comの過去コラム

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2014/06/28

 

「現在の道路は車のために存在している。歩行者のためではない。」

先日あるテレビ番組で耳にしました。

「車道と歩道の割合は9:1だが、道路の利用者は歩行者が9割を占め
 ている。
 車はスムーズに心地よく走っているが、歩行者は全体の1割にすぎ
 ない歩道内を肩を触れあんばかりにひしめき合って歩いている。
 つまり道路は1割の車利用者の利便性を優先して整備されているの
 だ。」

某病院では朝食が8時、昼食が12時、夕食が16時です。
入院患者の健康回復から決定されたことではないのです。病院職員
の勤務上の都合によるものだそうです。

某役所で書類の交付を申請したら、押印するよう言われました。
印鑑は持参していず、拇印やサインでは受け付けないとのこと。
途方に暮れていたら、役所の近くに文房具店があり印鑑を売ってい
ると教えられました。
三文判を購入してきて、無事書類を交付してもらうことができまし
た。

某役所にとって最も重要なのは形式を整えることで、本人確認など
はどちらでもよいのでした。

「個体は、遺伝子が一時的につくって利用する乗り物にすぎず、遺
 伝子は、他の乗り物の遺伝子とも協力しながら、やがて死ぬ乗り
 物(個体)を乗り継ぎながら存在し続ける。」  (『利己的遺伝子
 から見た人間』 小林朋道著 PHPサイエンス・ワールド新書)

地球を支配しているつもりの人間も、所詮は遺伝子が、自らを存続
させるための便利な道具に過ぎないとの見方です。
どんなに医学が進歩しても、結局は個体として永遠に命を維持でき
ない人間の本質を突いています。

元来、【道】は、A地点からB地点まで歩いていくのに最短となるように

直線的に、せいぜい人がすれ違える程度の広さに踏み分けられて

作られてきました。


しかし、車が通る道は、その何倍も道幅が広くなければなりません。
車は段差や急勾配、急カーブが苦手です。

道路は急峻地を迂回したり、トンネルを掘ったりして作られていきます。

歩行者は車の両脇に押しやられ、横断歩道や歩道橋の利用を余儀

なくされます。

いったい、いつから人間は、車にとっての都合を第一に道路を設計
するようになったのでしょうか。

病人の健康を回復するために作ったはずの某病院は、いつから病人
の都合よりも職員の都合が大事な病院へと変貌を遂げたのでしょう
か。

市民生活の利便性を高めるためにあるはずの某役所は、いったいい
つから形式主義に陥り、むしろ市民の利便性を損なう自らの振る舞
いに無自覚になってしまったのでしょうか。

本来、企業はその活動を通じて人々に幸せを提供することを目的と
しているはずです。
しかし、最も身近な人間である従業員の幸せに、まったく無頓着な
ブラック企業が存在するのはなぜでしょうか。

悲惨な大震災を経験し、重大な原発事故を引き起こしながら、危機
管理のゴールがいつまでも見えてこないのはなぜでしょうか。

ひょっとすると、こうしたことはすべて、人間個体の意思を超えた、
遺伝子の思惑がなせる業なのかもしれません。

もはや遺伝子にとって、人間は都合のいい乗り物ではなくなったの
ではないでしょうか。
人間に飽きた遺伝子は、新しい乗り物に乗り換えるために、人間を
スクラップにする準備を始めたのです。

出生率の低下、資本主義経済の綻び、各地での紛争の拡大・・・。

どれも、人間を減らすための遺伝子の作戦だと考えれば合点がいき
ます。
人間同士の連帯や思いやりを断ち切り、憎しみを増幅させることに
よって、環境を悪化させ、死亡リスクを高める。弱者は淘汰し、強者

同士には戦争を引き起こさせる・・・。

人間はかつて自らの利便性を増進するために車を発明しました。
しかし、都合よく乗り回しているうちに、いつのまにか主客転倒し、
人間が車に支配されるようになってしまいました。

人間は科学技術を進歩させ、遺伝子研究によって人間という個体の
本質・核心に迫りつつあります。

遺伝子にしてみれば、これ以上人間を野放しにしていたら、いつか
遺伝子自身が人間にコントロールされてしまうのではないか、との
危機感を募らせたとしても無理はありません。

遺伝子の思惑にコントロールされ、人間が絶滅するのが先か、遺伝
子研究の進歩によって、人間が遺伝子からイニシアチブを奪い取る
のが先か。
覇権争いは、いよいよ過熱することでしょう。