同情する赤ちゃん! | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/6/24

“赤ちゃんも弱者に同情”
 
先日新聞の片隅で見かけました。
京都大学の研究チームが、生後10か月の赤ちゃんに対して行った
実験の成果だそうです。

赤ちゃん40人を2つのグループに分け、一方には、ある図形が別
の図形にぶつかって攻撃するアニメを見せ、別のグループには
2つの図形が接触せずに空間を漂う図形を見せました。

その後、全員の前に2つの図形を置き、どちらに手を伸ばすかを
観察しました。

攻撃するアニメを見せた20人では16人が攻撃された側の図形の
おもちゃに手を伸ばしましたが、別グループでは偏りはなかった
そうです。
 
赤ちゃんに関する研究が進むにつれ、人間は生まれながらにして
既にかなりの能力を持っていることが明らかになってきています。

人間の本性は基本的に善であるとする「性善説」、自然そのまま
の本性を悪とする「性悪説」、本性には善も悪もないとする

「性白紙説」など、古くから議論されてきました。

今回の実験によって、「性善説」を唱えた孟子は、天国で鼻高々
となっていることでしょう。
 
人類史上最悪の独裁者ヒトラーは、父親からは虐待的な厳しい躾
を受け、母親からは溺愛を受けるという、アンバランスな環境で
育ったことがわかっています。

死に追いやった人数では、ヒトラーに引けを取らないとされる
スターリンは、父親にしばしば殴られ、母親にも暴力をふるうの
を見て育ちました。早くして寡婦となった母親は、初めに産んだ
3人の子を亡くしており、スターリンは生き残ったただ一人の
子どもでした。
 
ヒトラーとスターリン。


二人がもし、愛情のバランスがとれた温かい家庭で育っていたな
ら、世界平和実現に貢献して歴史に名を残すような聡明で有能な
政治家となっていたかもしれません。
 
人間の本性は基本的に善であるとする「性善説」を補強する実験
結果は、私たちに将来への希望を与えてくれます。
独裁者も、DV夫もいじめっ子もない未来が、人類の英知によって
実現できるはずだと確信を持つことができるからです。

そして、どうせ自分なんてと自信を失い、人生を半ばあきらめか
けていた人たちにも、改めて前へ進もうという力をもたらして
くれればいいなあと思うのです。