東京優駿 | 店舗探し.comの過去コラム

店舗探し.comの過去コラム

会員様向けメルマガに掲載された過去のコラムを掲載しています。

2013/5/27

 

第80回日本ダービーは武豊騎乗のキズナが、後方からのごぼう抜き

であざやかな勝利を飾りました。

 

日本ダービーは正式名称を「東京優駿」と言います。

“優駿”とは特に優れた競走馬のことを言います。優秀な人に対し

ても使われることがあります。

 

レガシーワールドとマーベラスクラウン。

この2頭に共通することは何でしょう?

 

レガシーワールドは、1993年の「ジャパンカップ」で優勝しました。

マーベラスクラウンは翌94年の「ジャパンカップ」を制しました。

両馬とも、その勝利が競走馬としての最後の勝利でもあります。

 

もう一つ、レガシーワールドは“せん馬”として初めてG1で勝った

競走馬であり、マーベラスクラウンは第2号ということになります。

“せん馬”とは、去勢された牡馬のことです。

 

2頭はあまりの気性の荒さから去勢されましたが、せん馬となって

からは気性が穏やかになり、競走馬としての才能を開花させ、G1で

勝利するまでになったのです。

 

現在、日本ダービーの出走資格は、3歳の牡馬・牝馬の競走馬だけに

与えられており、せん馬には出走権がありません。

牝馬は出走できることになっていますが、前週にオークス(優駿牝馬)

があるため、出走自体がまれなことなのです。

 

【競馬の祭典】と呼ばれる日本ダービーが、牝馬の活躍の門を狭め、

せん馬をシャットアウトをしているところを見ると、日本の競馬界

はまだまだ男尊女卑で、マイノリティを差別する保守的な社会と言え

ます。

 

こうしてみると、せん馬であるレガシーワールドやマーベラスクラ

ウンがGI勝利を収めたのがジャパンカップであったことが、象徴的

に思えてきます。

 

ジャパンカップは、世界中あらゆる地域から参加が可能な国際招待

競走だからです。

 

普段、白い目にさらされながら身の縮む思いで国内レースに臨んで

いたせん馬でも、あらゆる人種(馬種?)の中に混じっていれば、

マイノリティを意識することなく、伸び伸びと走ることができるの

ではないでしょうか。

 

いつの日か、自らの意思を問われることなく去勢されたせん馬にも

日本ダービーへの出場権が与えられ、見事優勝を飾って“優駿”と

称賛される場面を目撃したいものです。