ドラえもんの説教 | 店舗探し.comの過去コラム

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2014/4/23

 

まず、10人が携帯電話を持って円形に並びます。
そして一斉に隣の人に携帯電話を掛けます。

 

するとそのうちのひとつの携帯電話が、質問になんでも答えて
くれる「怪人アンサー」につながります。


呼び出せばどんなことにも答えてくれますが、電話の最後には、
怪人アンサーからの質問があります。
その質問に答えられないと、身体の一部が引きちぎられてしま
います。
 
これは10年以上前にインターネット上で流布した都市伝説です。

今となってはたわいのない話と一笑に付されるでしょう。
しかし、携帯電話の普及期にあった10年前であれば、それなり
の信ぴょう性を感じる人たちがまだ存在したのです。
 
電話が普及しだしたときには「電話でコレラなどの伝染病が
広がる」などと恐れる人がいましたし、少し前には「コンピュー
タウィルスというのは人に感染するのか」と心配した人もいま
した。
 
さて、次に挙げる震災関連の話題について真偽を見分けられま
すでしょうか?
 
・放射能は海藻類(わかめ、のり、こんぶなど)を食べると防
 げる。

 

・法律で禁じられていたので、自衛隊が救援物資を空中投下で
 きないことがあった。

 

・『ワンピース』の作者が15億円の寄付をした。

 

・関西電力から、節電を呼びかけるメールが届いた。

 

・仙谷由人議員が地元後援会で「参院開催中に大震災が発生。
 菅さんはとてもラッキーな人」と発言して物議をかもした。

 

・蓮舫節電啓発担当相が「コンビニの深夜営業禁止」を提案
 した。
 
上記は全て実際に流れた“流言”です。
もちろん、どれもがでたらめで事実ではありません。
 
“人は「自分は大丈夫だけど、自分以外の第三者はメディアの
 影響を強く受けているはずだ」と考えがちだ。
 例えば

 

 「子どもはメディアの悪影響を受けるから規制すべきだ」

 

 と考えている大人は多い。でも、
 
 「自分が子どものころ、メディアの悪影響を強烈に受けたか
  ら反対なのだ」

 

 といった論陣を張っている人を見たことがない。

 メディアの影響論について議論するとき、人はしばしば、
 メディアが与える自分への影響と他人への影響との間に、異
 なるリスク評価を下している。”
 
以上は『夜の経済学』(荻上チキ・飯田泰之著 扶桑社)から
の引用ですが、読んでいて冷や汗が出ました。
 
「あなたは間違っている。」

 

人を指さすとき、3本の指は自分を指しているという、ドラえ
もんがのび太にした説教の場面を久しぶりに思い出しました。