2010/4/16
「明日は雨にて候天気には御座無く候」
鷹狩りをする将軍のための天気予報は、これひとつだったそうです。
「雨にて候、」で切って読むと
「明日は雨です。天気ではございません。」
という意味になりますが、
「明日は雨にて候天気には、」で切ると、
「明日は雨が降るような天気では、ございません。」
つまり晴れるということになってしまいます。
天気予報が外れれば、切腹させられるかもしれない役人達が編み出
した、雨晴れどちらでも言い逃れのできる、究極の役人答弁と言える
でしょう。
独立開業者は、大別して理系型と文系型の2タイプに分かれるよう
です。
理系型(データ重視。冷静)
・景気の指数や消費者動向の統計を眺めて、自分の事業に有利な数
値や事例をたくさんコレクションする。
・時間帯別売上予測や、収支計画書の作成に、かなりの時間を割く。
・「成功率99%」「利益率30%」「ロイヤルティ0円」などに惹かれる。
文系型(抽象的。情緒的)
・自分の勘や感性を信じる。
・「きっとうまくいくよ。」などの、周囲からの根拠の無い励まし
でも、自信になる。
・開業に向けて、こつこつと積み重ねた努力の日々を思い、
「これだけ頑張ったんだから、うまくいかないはずが無い。」
と、納まりのいいドラマの主人公にでもなった気になって、ハッ
ピーエンドを信じて疑わない。
理系型は、業界を、よく研究しています。
どちらかと言うと悲観的・現実的です。
歴史があって店舗数も多いFCの運営に向いていて、手堅い経営をし
ます。
しかし、想定外の状況や、不測の事態への対応で、意外な脆さを露
呈することがあります。
文系型は、皮膚感覚や第六感などで業種を決めます。
気合や根性で経営はなんとかなると楽観的です。
気持ちが現実を動かすのだと本当に信じている人は、これまでに大
きな挫折を経験せずに生きてこれた人なのです。
新業態など、創成期の事業で力を発揮します。
しかし、数字には弱く、お手盛り・ドンブリ勘定なので、経費を切
り詰めて利益を捻り出すのは苦手です。
理系型と文系型。
どちらか一方に偏らずに、両方の長所を兼ね備えたバランスの取れ
た経営者こそが成功するのでしょう。
晴れていながら、雨も降る。
狸将軍をうまくごまかした狐役人も、さすがに「狐の嫁入り」ばか
りは、予想することはできなかったことでしょう。