裸で突っ走る! | 店舗探し.comの過去コラム

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2014/4/10

 

放送回数8054回、「生放送バラエティー番組放送回数最多記録」
としてギネスに認定された『笑っていいとも』が終了しました。
 
『笑っていいとも』から遅れること5年。
放送開始は1987年6月1日。
テレビ朝日系列で放送されている『世界の車窓から』は放送回数
9400回を超える長寿番組です。

 

そのナレーターを一貫して務めているのは、俳優の石丸謙二郎
さんです。
石丸さんは毎朝起きると「せ、か、い。」と発声してその日の
健康状態を知るのだそうです。
 
放送回数ではタモリさんを超えている石丸さんがもう一つ自慢
していることがあります。

それは「日本で初めてストリーキングを敢行した」ことです。

 

石丸さんのブログ『Off time』によれば、1974年3月11日のお昼
に原宿の明治通りを「ストリーク!ストリーク!」と怒鳴りなが
ら素っ裸で400メートルほど走ったのだとか。
“社会の窓から”顔を覗かすなどという穏やかなものではなく
全てをかなぐり捨てての過激なストリーキングは約3分間に及ん
だそうです。
 
しかし、残念ながら、日本人ストリーキング第1号は石丸さんで
はありません。
石丸さんよりも10年も前に、しかも銀座でストリーキングを敢行
した人物がいました。
 
ダダカンこと、糸井貫二さんです。

 

前衛芸術家であるダダカンさんは、1964年(昭和39年)10月、東
京オリンピックの聖火が銀座通りを走る1日前に「東京五輪性火
白面フリチン走り」というパフォーマンスを行いました。

 

赤フンドシに赤タスキ、頭に白い包帯をぐるぐる巻きにしコート
を羽織っていたダダカンさんは、服部時計店前の交差点の信号が
青になるや、コートを脱ぎ捨てます。
赤フンドシを脱いで新聞紙に詰めて聖火だと称して走りました。


目の前にあった交番から警察官が飛び出して取り押さえられ、そ
の後、精神病院へ入院させられることになりました。
 
ダダカンさんのストリーキングはまだあります。

1970年(昭和45年)、大阪万博会場での「万博全裸走り15メート
ル」というパフォーマンスです。


ちょうど万博会場では“赤軍”と書かれたヘルメットをかぶった
男が太陽の塔の右目部分に籠城する騒ぎが起きており、太陽の塔
に全裸で駆け寄ったダダカンさんはすぐに機動隊に逮捕されてし
まいました。
ダダカンさん、当時すでに50歳だったそうです。
 
ダダカンさんは現在93歳、ご健在です。

仙台の古い木造家屋に独居されています。
収入は1ヶ月2万円弱の年金のみ。
1日1食、夏場は庭のタンポポを食べる生活を永年続けているのです。
   (『独居老人スタイル』都築響一著 筑摩書房 参照)
 
ギネスブックには決して認定されることはなくても、世界の車窓
から観察されることはなくても、世界にはまだまだ“スゴイ”人
がいる、ということなのでしょう。