お好きなジャムは? | 店舗探し.comの過去コラム

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2014/3/18

 

今日の昼食には何を食べるか。

 

明日の休みは家族で遊園地に行くか家でゴロゴロするか。

 

誰と結婚するか。

 

どこの銘柄の株を買うか。

 

どの会社に就職するか。

 

どんな事業で独立開業するか。

 

日常生活の些細なことから人生を左右する重大事案まで。

プライベートから仕事上まで。

私たちは常に何かを【選択】するよう迫られ、なにがしかの

判断基準を以って【決断】します。

 

『選択の科学 ~コロンビア大学ビジネススクール特別講義』

  シーナ・アイエンガー著 文藝春秋

 

著者のシーナ・アイエンガーさんは1969年カナダ生まれです。

両親はインドからの移民で敬虔なシーク教徒。

着るものから結婚相手まですべて両親が宗教や慣習で決めて

きたのをみてきました。

 

しかし、アメリカの公立学校で、「選択」こそアメリカの力で

あることを繰り返し教えられたことから、「選択」を研究テー

マにすることとなりました。

彼女を一躍有名にした、選択に関する研究成果に「ジャムの

研究」があります。

 

実験はスーパーの試食コーナーで行われました。

 

24種類のジャムを並べて試食させるのと、6種類しか並べずに

試食させた場合の違いについて調べました。

いつも買っているという理由でジャムを選ばないようにと、

一般的なジャムはそれぞれ除外してあります。

 

6種類の試食に立ち会った客のうち、ジャムを購入したのは30%

でしたが、24種類の場合、実際にジャムを購入したのは、試食

客のわずか3%だったのです。

 

実験を通じてわかったことは、人は、ある限度を超えた選択肢

を提供されると、混乱して選ぶことができなくなってしまうと

いうことです。

 

既に、消費財メーカーではブランドの種類を絞るなどして、

実験成果を生かしていますから、ご存知の方もいるでしょう。

 

自分で選択できるということは、特に西欧文化では重要なこと

とされています。

しかし、アジアでは反対で、強制的に押し付けられた方が満足

度や幸福度が高くなる傾向があります。

 

そして、ジャムの研究のように、一定数を超えた選択肢の提供

は、文化の如何を問わず人間を混乱させ、むしろストレスを生

みかねないのです。

 

これから始めようとする事業で提供する商品のバリエーション

や、メニュー数の決定にも参考になること請け合いです。

是非、ご一読を!