『確率のエッセンス』 | 店舗探し.comの過去コラム

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2014/2/20
 

問題です。

 

問1 品種改良した新種のスイカを1000㎏分トラックで

  運んでいる。このスイカ、きわめてジューシーで計算上

  99%が水分である。ところが季節は真夏で道路は大渋滞、

  目的地に着いた時には、計算上の水分の割合は98%にまで

  落ち込んでしまった。

  さて、最初1000㎏あったスイカは、およそ何㎏になったで

  あろうか。

 

問2 次の4枚のカードがある。

 

 (a)『○』 (b)『×』 (c)『4』 (d) 『7』

 

  どのカードも一方の面には○か×、他方の面には数字が

  一つ書いてある。

  このとき、

 

  「どのカードについても、一方の面が○なら他方の面の

  数字は偶数である」

 

  というのが正しいかどうかを知るために必ず見る必要の

  あるカードだけをすべて挙げよ。

 

『確率のエッセンス』

  岩沢宏和著 技術評論社

 

本書の前書きにこうあります。

 

“広い意味での確率的思考は人間にとってごく基本的なもの

です。どちらの商品を選んだほうが得だろうかとか、明日は

雨が降るだろうかといったたぐいのことに私たちはみな強い

関心を持っています。

そして、こうしたことを考えるときには、つねにすでに何ら

かの確率を考えているはずです。

 

しかしその一方で、私たち人類はどうやら、確率に関して

正しい直感を持つようには進化してきませんでした。

私たちは確率が好きなのに、それを正確に捉えるのは、どう

やら苦手なようなのです。”

 

したがって、上記の2問とも解けなかった人は甚だ人間的で

あるとも言えます。

問2は、イギリスの大学生128人に実施したところ正解した

のは5人だけだったそうです。

 

確率的思考に関する直感のいいかげんさ、条件付確率が

いかに苦手であるか、回答を見て思い知った方がいいかも

しれません。

 

解答

 問1 500㎏。 問2 (a)と(d)

 

解説

 問1 最初の水分の割合は99%ですから水分以外は1%であり

  その重さは100㎏×1%=10㎏です。これが、目的地に

  ついた時には全体の2%に相当しているのですから、その

  ときの全体の重さは10㎏÷2%=500㎏です。

 

 問2 「一方の面が○なら他方の面の数字は偶数である」

  というのが正しくないのは、一方の面が○であるのに

  他方の面が奇数である例がある場合です。

  ですから、一方の面に○がある可能性があり、かつ、

  数字が 奇数である可能性があるものだけをすべて調べる

  必要があります。

  したがって(a)と(d)そしてそれだけを開く必要が

  あります。