問題です。
問1 品種改良した新種のスイカを1000㎏分トラックで
運んでいる。このスイカ、きわめてジューシーで計算上
99%が水分である。ところが季節は真夏で道路は大渋滞、
目的地に着いた時には、計算上の水分の割合は98%にまで
落ち込んでしまった。
さて、最初1000㎏あったスイカは、およそ何㎏になったで
あろうか。
問2 次の4枚のカードがある。
(a)『○』 (b)『×』 (c)『4』 (d) 『7』
どのカードも一方の面には○か×、他方の面には数字が
一つ書いてある。
このとき、
「どのカードについても、一方の面が○なら他方の面の
数字は偶数である」
というのが正しいかどうかを知るために必ず見る必要の
あるカードだけをすべて挙げよ。
『確率のエッセンス』
岩沢宏和著 技術評論社
本書の前書きにこうあります。
“広い意味での確率的思考は人間にとってごく基本的なもの
です。どちらの商品を選んだほうが得だろうかとか、明日は
雨が降るだろうかといったたぐいのことに私たちはみな強い
関心を持っています。
そして、こうしたことを考えるときには、つねにすでに何ら
かの確率を考えているはずです。
しかしその一方で、私たち人類はどうやら、確率に関して
正しい直感を持つようには進化してきませんでした。
私たちは確率が好きなのに、それを正確に捉えるのは、どう
やら苦手なようなのです。”
したがって、上記の2問とも解けなかった人は甚だ人間的で
あるとも言えます。
問2は、イギリスの大学生128人に実施したところ正解した
のは5人だけだったそうです。
確率的思考に関する直感のいいかげんさ、条件付確率が
いかに苦手であるか、回答を見て思い知った方がいいかも
しれません。
解答
問1 500㎏。 問2 (a)と(d)
解説
問1 最初の水分の割合は99%ですから水分以外は1%であり
その重さは100㎏×1%=10㎏です。これが、目的地に
ついた時には全体の2%に相当しているのですから、その
ときの全体の重さは10㎏÷2%=500㎏です。
問2 「一方の面が○なら他方の面の数字は偶数である」
というのが正しくないのは、一方の面が○であるのに
他方の面が奇数である例がある場合です。
ですから、一方の面に○がある可能性があり、かつ、
数字が 奇数である可能性があるものだけをすべて調べる
必要があります。
したがって(a)と(d)そしてそれだけを開く必要が
あります。