味噌汁をすすり・・・ | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/11/28

 

【キヌア】:ヒユ科アカザ亜科アカザ属の植物。
  他の雑穀に比べマグネシウム、リン、鉄分などミネラルや
   ビタミンB類を多く含む。特に葉酸は緑黄色野菜に匹敵する
   量を含んでいる。

 

今年は国際連合が定めた「国際キヌア年」です。

キヌアは、高い栄養価があるだけでなく、年間雨量が少ない
温帯地域でも生育が可能です。
マイナス8℃から38℃の気温変化に耐えることができ、湿度には
40%から88%まで順応することが可能です。
 
また、海面ゼロメートル地帯から標高4,000メートルの高地でも
育つことができ、干ばつや高塩分濃度にも強く、痩せた土壌など
さまざまな生態学的環境や気候に適応出来るのです。

キヌア生産が拡大されれば、基礎栄養素を十分に摂取できない
人々を、栄養失調から脱却させることができるかもしれません。
 
「国際キヌア年」は、こうした背景があって、ペルーと並んで
二大産地であるボリビアの大統領の提唱で決定されました。
 
一方で、キヌアは、アメリカ航空宇宙局が「21世紀の主要食」と
述べるなど理想的な宇宙食の素材の一つとしても評価されてい
ます。
また、モデルのミランダ・カーなど欧米のセレブが食べている
ことが話題になり、ヨーロッパや日本などでは健康食品として
注目されています。
 
ところが、他の作物に比べて生産国も限られ、収穫量も多くない
キヌアに国際的な注目が集まったことで、国際市場価格は暴騰
しています。
元々、ペルーやボリビア、エクアドルなど南米の一部でしか栽培
されていなかったため、これら生産国からキヌアはどんどん輸出
されてしまい、国内の消費が賄えない状態となっているのです。

皮肉なことに、キヌアの生産国の栄養事情が悪化しているのです。
 
キヌア価格高騰の一因は、わが日本にも責任があるのです。

偽装されてもまったく気が付かないお粗末な舌しか持ち合わせて
いないくせに、いいと言われれば、なんでも競って飛びついて
食べまくるおっちょこちょい。
あれこれ食べ尽くした挙句は、メタボだダイエットだと、あわて
て健康食品を買いあさる。

外から見てみると、日本人の右往左往ぶりは、かなり奇妙に見え
るに違いありません。

 

味噌汁をすすり、香の物をぱりぱりと音立て、白飯を噛みしめる。

日本には、清貧にして粗食、という世界に誇れる伝統的食文化が
あるのです。

 

目を外にばかり向けたり、新しい情報ばかりを追いかけるのは、
いい加減にしたらどうでしょう。
そして、今度は日本から世界に向けて「国際一汁一菜年」をこそ、
提唱するべきではないでしょうか。