段差を解消! | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/10/27

年を取ってくると、視力は衰え、運動機能は低下します。

すると、若い時には何でもなかったわずか数センチの段差を超えられずにつまずいて、そのままバランスを失って転んでしまうこともあります。

先進的で優しい社会では高齢者や障害者が不自由なく移動できるように、段差を解消するように努めるのは当然です。

段差は、歩道と車道の間のように、目に見える形で存在するものばかりではありません。
先進国と発展途上国の間には経済的な段差が、人種や民族間にはお互いの歴史認識の段差が、男女感には社会進出への公平感の段差があります。
 
社会が進化発展させることの本質的な意義は、あらゆる段差や格差、偏差を解消し、すべての人々が快適に生活できる社会を築き上げるところにあります。

ビジネスの世界でも同様です。

身長の低い人は、シークレットブーツによって長身の人との段差を解消できます。

頭髪の不自由な人はかつらやウィッグを活用し、周囲の人との見た目の違いを解消することで、ストレスのない生活を送ることができます。

ラーメンを店まで食べに行く時間のない人はカップめんにお湯を注ぐだけで店に行った気分に近づくことができるのです。

競馬や宝くじは、庶民にお金持ちとの格差を縮める夢を与えることによって大きなビジネスとなっています。

インターネットは世界中の人に無料で情報を拡散することで、情報量の格差を解消し、大きなビジネスを築きあげています。

ある一定人数の人が抵抗を感じる段差や格差、または偏りに気づくことができれば、ビジネスの種を発見したと言えるでしょう。
段差を解消できるサービスを考え出せれば、その一定人数の市場規模を持ったビジネスが誕生します。

来店型の保険ショップがここ数年で爆発的に店舗数を増やしています。

地縁・血縁によって、自宅や職場にやってきた保険会社の営業さんに勧められるまま保険に加入することに、違和感を感じていた人が多かったということでしょう。
しがらみを離れて、自由に保険会社や商品を選ぶことのできる来店型の保険ショップは、保険加入への心理的な段差をバリアフリー化したすぐれものだということでしょう。

最近では、これまた相談するための心理的なハードルが高い、弁護士・税理士事務所の来店型ショップもSCにちらほら出店し始めています。

『俺のイタリアン』や『俺のフレンチ』など『俺の~』シリーズが大盛況なのは、高級料理を立ち食いすることで、お客と店の間にあった敷居の段差を低くしたことによるものでしょう。

内気、僻み、コンプレックス・・・。

なかなか口に出すことができないから顕在化していないけれども、当人にしてみれば超えることのできない段差に気が付くデリカシーこそが必要なのです。

あらゆる段差を解消する新しいビジネスによって、社会はより優しいものになっていくのでしょう。