勲章! | 店舗探し.comの過去コラム

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2011/7/12

偏屈者なのでしょうか、それとも信念の人なのでしょうか?

福沢諭吉、山岡鉄舟、原敬、細川護煕・・・
森鴎外、杉村春子、大江健三郎、堤清二・・・。

上記は、いずれも勲章を辞退した人たちです。

『勲章 知られざる素顔』
    栗原俊雄著 岩波新書

勲章は、国が「国家・社会に功労のあった人を表彰する」栄典の
ひとつですが、実は勲章制度を運営する法律は現在ないのだそう
です。

そもそも勲章制度の創設は、明治時代に遡ります。
外国との付き合いが盛んになると、国家間で儀礼的に勲章を贈り
合う諸外国に倣って、フランスやイギリスの制度を参考にした上
で、日本の近代勲章制度が始まりました。

大人であれ子供であれ、褒められていやな気がする人はありませ
ん。
しかし、勲章というのは、国がある基準を持って人を評価し、序
列をつけることでもありますから、自らの思想信条に合わないと
考える人や運用ルールに疑問をもっている人は、受勲の打診を拒
否することがあるのです。

トップセールスを表彰したり、多大な利益貢献をした人に「社長
賞」やら「店長賞」を贈呈したりと、企業でも様々な形で、褒章
ならぬ報奨制度を設けています。

勲章制度は、つまるところ国民が、国家や社会のために貢献しよ
うとする意欲をかきたてることを目的としているように、社内報
奨制度も、社員のモチベーションを高めたり、更なるやる気を引
き出すことが目的です。

その場合、営業の第一線で活躍するような、目に止まりやすく、
評価基準がシンプルな立場の社員が対象になることが多くなりが
ちです。

しかし、勲章制度が掬い取る網目から漏れてしまった人の中にも
社会への貢献度が高い人がいるはずであるように、企業の中にも
地味ながらも、決して欠くことのできない存在である人物が必ず
いるものです。

そうしたバイプレーヤーを、しっかりと褒めて、勲章に匹敵する
栄誉を与えることができる企業は、きっと繁栄することでしょう。