桃とモモ | 店舗探し.comの過去コラム

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2010/3/2

明日3月3日は雛祭り。
「桃の節句」とも言います。

「桃」は昔から邪気を祓う力があると考えられてきました。
中国では不老長寿を与える植物だとも言われています。
だから、めでたい席には必ずといっていいほど「桃饅頭」が供され
ます。

邪気の象徴である鬼を退治する日本の「桃太郎」も、そんなところ
から命名されたのでしょう。

『モモ』は、児童文学の名作です。
あらすじは・・・

“とある平和の町に、どこからともなく灰色の男たちが現れます。
 男たちは「時間貯蓄銀行」の社員で、

 「時間を貯蓄すれば、利息をつけて返し、寿命を延ばす」

 と約束します。人々は時間を節約し、せっせと貯蓄していきます。
 しかし、時間をなくした人々は、次第に心に余裕をなくして、味
 気ない生活を送るようになります。
 「時間貯蓄銀行」の欺瞞を知った少女「モモ」は、灰色の男たち
 と戦い、奪われた時間を取り戻してくれるのです。”

『モモ』は、忙しさの中で生きる人々に対する警告の書だとの解釈
をするのが普通でしょうが、作者であるミヒャエル・エンデの真意
は、別のところにあったとの指摘があります。

彼は「時間」に仮託して、利子が利子を生む「お金」について問題
を提起したかったのだというものです。

「私が考えるのは、もう一度貨幣を、『実際になされた仕事や物の
 実体に対応する価値』として位置付けるべきだということです。
 そのためには現在の貨幣システムの何が問題で、何を変えなくて
 はならないかを、皆が真剣に考えなければならないでしょう。
 人類がこの惑星上で今後も生存できるかどうかを決める決定的
 な問いだと私は思っています。

 重要なポイントは、例えばパン屋でパンを買う購入代金として
 のお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は2つの異なっ
 た種類のお金であるという認識です。」

これは『エンデの遺言 ~根源からお金を問う~』という、かつて
NHKで放送された番組の中で、彼自身の言葉として紹介されたもの
です。

桃栗三年柿八年・・・
エンデの死からは、はや15年。

彼が蒔いた【貨幣システムについて考えよう】との問題提起の種
は、芽を出すやぐんぐん育ち、今では大木となって四方八方に枝
を広げています。
しかし、愚かなるかな人間たちは、依然として、「解決」という
果実を実らせることができないままでいるのです。


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