天ぷらにソース | 店舗探し.comの過去コラム

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2011/2/09

「天ぷらにはソースをかける」

違和感を感じないあなたのご出身は、中国・四国地方ではありま
せんか?

2月11日 建国記念日
3月3日 ひな祭り
3月21日 春分の日
8月15日 お盆
9月23日 秋分の日
10月10日 旧体育の日

 以上は夕食。

12月29日~31日年末の昼食と夕食(ただし31日は昼食まで)。

これは、市販弁当が家庭の食卓に登場する割合が特に高い日
なのですが、全部で9日間あります。

『天ぷらにソースをかける日本人
        ~だれも知らない食卓の真実』
            齋藤隆著  家の光協会

著者の齋藤隆氏は、日本人の食卓を毎日観察する世界最初の
食卓生態観察システム「食MAP」を開発したことで知られて
います。

「食MAP」は、だれが何を買い、どのような食事に利用した
かを通観できるマーケティングシステムで、今では多くの食品
メーカーやスーパー、コンビニなどで利用されています。

「食MAP」によると、出身地が北海道の人では0%、関東地方
では0,6%の人しか天ぷらにソースをかけていません。
しかし、中国地方生まれの夫がいる食卓では、天ぷらに17,6%
の割合でソースをかけています。
これが四国地方生まれの妻がいる食卓になると14,6%の割合だ
そうです。

上記の、市販弁当の登場割合が高い日は、国民的な行事や
休日が多く、これらの日は、主婦が食事の支度から開放される
「安息日」ということなのでしょう。
もっとも、1年でたった9日しかないということは、主婦がほと
んど安息を取れていないことの証拠なのかもしれません。

10年ほど前、【おでんが9月から食卓に登場する】という事実を
「食MAP」で知った、ある東北の食品スーパーの売場責任者
が、毎年10月からスタートさせていたおでんの販促を9月からに
前倒しして実施したところ、その1か月分だけまるまる売上が
増加したそうです。

当時は9月におでんが売れるということを自覚しているスーパー
などほとんど無かったのです。
「食MAP」のおかげで、今ではおでんが9月から売れるという
ことは、業界の常識になっています。

齋藤氏が会長を務める株式会社ライフスケープマーケティング
が提供する「食MAP」のサービスをフルに利用するのは、個
人店のレベルでは、金額的に敷居が高すぎるかもしれません。
しかし、齋藤氏の前著である

『~食のデータベース「食MAP」が明かす~ニッポンの食卓
の新・常識』   日経BP社

を、本書と併せて読むだけでも、飲食関連業種の方にとっては、
大いに参考になること請け合いです。
是非、ご一読を。