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2014/1/22

“小学生のころ、家庭は貧しく、両親からは日常的に暴力
 を受けていた。

 小学校では、担任の先生からヒステリックに罵倒され、
 全人格を否定された。上級生からはいじめの対象にされて
 ランドセルを焼却炉に突っ込まれた。
 同級生からはろくに口をきいてもらえなかった。

 中学になると、両親は破産して離婚し、生活保護を受けた。
 高校1年生のときには独り暮らしをして自立することになり、
 高校を中退した。
 
 19歳の時に逮捕されて少年鑑別所に収監された。
 
 20歳で結婚し、20歳で離婚・・・。”

あなたはこの人の人生をどう思いますか?

新年を迎え、連続ドラマも次々に始まっています。

『明日、ママがいない』(日本テレビ 水曜午後10時)
は、芦田愛菜さん、鈴木梨央さんという天才子役二人が共演
する話題作です。
親から捨てられた子供たちが暮らすグループホーム「コガモ
の家」が舞台となっています。

しかし、初回放送後から、国内唯一の赤ちゃんポスト「こうの
とりのゆりかご」を運営する慈恵病院からは「フィクションだ
としても許される演出の範囲を超えている」として、放送中止
を求められました。

愛菜さんの役は、赤ちゃんポストに捨てられていたとの設定で
施設内での呼び名が「ポスト」なのです。

「コガモの家」では職員が子供たちに暴言を吐き、平手打ちし
たり、バケツを持って立たせるなどの行為が日常化しているた
め、全国児童養護施設協議会からも抗議の声が上がっています。

日本テレビでは「ぜひ最後までご覧いただきたいと思います」
とコメントし、放送中止の考えがないことを表明しました。

抗議をした側も、放送した方も、立場こそ違え、人生の序盤で
大きなハンデを背負いながら生きて行かなければならない子供
たちに、明るい未来が待っていてほしいという気持ちに変わり
はないでしょう。

冒頭の紹介文は、『カバチタレ』『ダンダリン101』などの漫画
原作者として活躍している田島隆さんの前半生です。
(『弱者はゴネて、あがいて生き残れ!』田島隆著 講談社より)

現在田島さんは海事法務事務所等も経営し、経済的には恵まれ、
人もうらやむ人生を生きていらっしゃいます。

実人生でさえこれほど鮮やかな逆転勝利を収めている人がいる
のですから、ドラマの中で、「コガモの家」の子供たちにも、
きっと逆転勝利が待っていると信じて見続けようと思います。

『明日、ママがいない』のタイトルは、もちろん【アシダマナ】
と平仄を合わせているわけですが、まだ9歳の芦田愛菜さんは、
すでに大女優の風格があります。
ちゃん付けでなど気軽に呼べないオーラすら感じます。

とてつもない天才芦田愛菜さんには、子役は大成しないとの
ジンクスなどものともせず、生涯輝き続ける、順調だらけの
女優人生を歩んでほしいと祈るばかりです。