2010/6/30
さかはらあつし氏の履歴書です。
中学受験に失敗。
公立高校はビリで卒業して、その年の共通一次試験は150点。
四浪する。
交通事故で2度死にかける。
就職試験では十数社から不採用とされ、一社しか内定は取れ
なかった。
地下鉄サリン事件に遭遇。あやうく一命を取り留める。
オウム真理教側に居た女性と結婚、その後離婚。
彼の履歴書は、次のようにも書くことができます。
京都市内の有名私立小学校を卒業。
京都大学経済学部を卒業、電通に入社する。
退社後、渡米し、ＭＢＡを取得。
『Bean Cake（おはぎ）』
デービッド・グリーンスパン監督 神田沙也加主演
をプロデュース。
この作品で、2001年に第54回カンヌ国際映画祭短編部門の
パルムドール（最高賞）を受賞。
『サリンとおはぎ 扉は開くまで叩き続けろ』
さかはらあつし著 講談社
著者の人生は、まさに「禍福は糾える縄の如し」を地でいくよう
に見えます。
しかし、前半の履歴書に記載した、踏んだりけったりの試練の
ひとつひとつを、「扉は開くまで叩き続けろ」の精神と、どこま
でも明るく前向きな取り組みによって、すべて後半の履歴書のよ
うな輝かしい成果へと結び付けてきたのです。
さかはら氏のポジティブな生き方が、人柄そのもののユーモラス
な文体で、さっぱりと書かれています。
梅雨空でじめじめした気分を、ぱっと明るくしてくれること請け
合いです。