2011/5/30
ぎらぎらと照りつける太陽。
はじける汗。
喧しいほどに響き渡るセミの鳴き声。
キラキラと水面が輝く海から吹きつける潮風。
夏がどこまでも明るく楽しげな季節だという印象があるのは、
その前に梅雨という憂鬱な季節があるからなのでしょう。
せっかくの休日も、湿っぽい部屋に閉じこもって過ごすしかなく
すっきりとリフレッシュできないままに、ただでさえ気が重い
月曜の朝を迎えたというのに、外はぐじぐじの雨・・・。
メリハリがはっきりした季節の変化は、日本人の気分のバイオ
リズムを同機させてきたのではないでしょうか。
満開の桜の季節には、新しい何かが始まる期待と不安で心が揺
れ動きます。
心浮き立つ夏が終わりに近づき、秋の気配が漂いだすにつれ、
盛りの季節を過ぎたわびしさが忍び寄ります。
深まる秋は、厳しい冬の前触れ。
孤独感がメランコリーな感傷を呼び寄せ、一緒に寒さをしのぐ
相手を求めて恋心がつのります・・・。
気分や感情のありようが、季節ごとの気候変動によって誘導され
ることで、日本人の心情は同機されやすくなります。
同じ心情を共有していることを互いに確認することで仲間意識は
強化され、日本独特のムラ意識が育まれたのかもしれません。
「気分が滅入ってしょうがない。早く梅雨が明けるといいですね。」
当分の間、お互いの憂鬱な気分を確認しあう、同じような会話が
あちこちで交わされることでしょう。