2012/1/27
始めに揺らぎありき。
直後の「インフレーション」にて0は無限になり、光を放ち
て、灼熱状態となる・・・。
宇宙誕生から10のマイナス5乗秒後、「陽子」「中性子」
「電子」が揃い、3分後、宇宙の温度は約10億度Cに下がっ
たことで、陽子と中性子が結合して、水素の原子核とヘリ
ウムの原子核が誕生したのです。
（『宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか』
吉田直紀著 宝島新書参考）
私たち人間が住む地球はもちろんのこと、太陽も月も、太
陽系も天の川銀河も、時間を遥かに遡り祖先を訪ねていく
と、ついには始めの【揺らぎ】にたどり着くのです。
『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われ
われは どこへ行くのか』。
ゴーギャンの代表作の最初の問いに対する答えは、だから
宇宙誕生時の【揺らぎ】なのだということになります。
イブはヘビにそそのかされて心が揺らぎ、つい禁断のリン
ゴを食べてしまったことから人間の苦悩が始まりました。
玄宗皇帝は楊貴妃の美貌に政治家としての判断が揺らぎ、
国が傾きました。
某製紙会社の会長は、ギャンブルが放つ魔力に平常心が
揺らぎ、理性を見失って、人生を暴走させていきました。
宇宙の誕生が【揺らぎ】であったように、全ては【揺ら
ぎ】から始まるということなのかもしれません。
だとしたら、地面を大きく揺るがしたあの悲惨な大地震
も、何かの始まりの合図であるのでしょう。
「われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」
1897年にゴーギャンから突きつけられた問いのうち、残
りの2つについては依然として答えが出ていません。
しかし何にせよ、始まってしまったものは、すべて私た
ち自身で引き受けて、取り組んでいかなければならない
のです。
より良き者として、より良き行き先にたどり着くために。