干物に限る件 | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/11/3

平日発行しているメルマガに載せた過去のコラムを
掲載しているので、何年遡っても祝日のストック
コラムはありません。

祝日の今日は、過去コラムではなく今日コラムと
なります。

このところ、毎日、過去のコラムばかり眺めていた
ので、どこか他人のコラムを覗き込むような気分
で淡々と作業をしていましたが、いざ、今日現在の
自分に向き合うと、生臭さにいたたまれない思いです。

たとえ1年前には生臭かった出来事でも、365枚の
日めくりカレンダーを覆いかぶせていくと、水気は
すっかり抜け、同時に臭みも薄まってしまうものなの
です。

干物には、いくら水を掛けても、新鮮な刺身に戻るわけ
ではありません。
ヴィンテージ物の干物には味わい深いコクはあります
が、どこまでも淡白です。
心臓をわしづかみにされて揺さぶられるような生々しさ
とは無縁です。

こうして久々に、生身の自分を今日の風に晒してみると、
今にも瓦解しそうな危うい予感がひりひりと肌を刺し
ます。

危ない危ない。

得体のしれない怪魚は、干物にするに限ります。
うっかり刺身で口にしたら、たちまちに毒が回って
理性を失い、周囲にまで害毒をまき散らすことで
しょう。

半ば干からびた中年男とはいえ、まだまだ生身は危険
なのです。