人はいつ青年から中年になるのか? | 店舗探し.comの過去コラム

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2011/11/1

人はいつ青年から中年になるのか。

それは、彼が保険に加入したときである、と書かれた本を読んだ
記憶があります。沢木耕太郎さんの著作だったでしょうか。

自分の未来には無限の可能性があると信じている青年は、将来の
心配などしません。なぜなら、輝かしい未来は自らの力によって築
きあげていくのですから。
もっとも青年は、今、目の前に立ちふさがる大きな壁と格闘するの
に精一杯で、将来のことを考える余裕だってないのですが。

時が経ち、青年は結婚し子供も生まれます。自分が守らなければな
らない子供達は、自分よりも沢山の時間と可能性を持っているので
す。
青年は自分に残された時間が有限で、しかもそう沢山はないことに
思い到り、大切な家族のために保険に加入することになります。
残された時間を自覚してスピード調整を意識するようになった青年
は、もはや中年と呼ぶしかない存在になっているのです。

少子高齢化、不透明な日本経済の将来展望・・・。
SCのテナント構成は、流行や趣味嗜好だけではなく、時代や社会情
勢をリアルタイムに反映していきます。
ここ数年、SC内への保険ショップの出店が目立って増えていました
が、大震災を機に、国民の保険に対する意識が一気に高まったので
しょうか。
ディベロッパーも保険ショップを積極的に導入する傾向が強くなっ
ているようです。

バラ色の未来を無邪気に信じて、俺が俺がとがむしゃらに全力疾走
する青年ニッポンの時代は終わりを告げたのです。
身を捨てても子孫のために美田を残したいと、中年国家日本は健気
に保険を掛け続けていくのでしょう