メロスは激怒した。(中略)メロスには政治がわからぬ。(中略)
聞いて、メロスは激怒した。「呆れた王だ。生かして置けぬ。」
メロスは、単純な男であった。
ーー太宰治さん「走れメロス」より。
誰よりも理想に燃え上つた君は
誰よりも現実を知つてゐた君だ。
ーー芥川龍之介さん「或阿呆の一生」より。
序
先日、車を走らせていたら、前を走る車の背面()に「I
JAPAN」みたいな文字が書いてあって、乗車している方は日本の方ではないのだろうか
日本の方だとしたら、なぜわざわざそんなことを宣言するのだろうか
宣言するにしても、「我、日本を愛す」でもなく、「私は日本を愛しています」でもないのはなぜだろう
などと考えてしまった🤔
破
【竹田恒泰氏、ラサール石井を「もはや人間ではない」と批判 櫻井よしこ氏投稿への反応に「花畑思考」と指摘】
https://origin.daily.co.jp/gossip/2024/01/24/0017255606.shtml
【ラサール石井 櫻井よしこ氏の「戦えますか」に「井上ひさしさんの芝居を観劇せよ」】
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9c7c345caf986b39e9c046b5610eaeeec176690
私はラサール石井さんのファンではないし、彼のことを何か知っているわけでもないが、なんとなく「お花畑」思考、というのは違う気がするのではなか、という気がするのだ🤔
むしろ、「誰よりも現実を知つてゐ」るからこそ、「誰よりも理想に燃え上」るのではないか
ラサール石井さんは井上ひさしさんの芝居を観よ、みたいなことをおっしゃっているようである。
私は井上ひさしさんの作品にもまた、別に詳しいわけではないが、学生時代に「井上ひさしさんに似ている」と言われたことや、井上ひさしさんの作品から卒論【※】の着想を得たことなどから、井上ひさしさんに対しては親しみを覚えている
【創作とは宝石を見つけ出す営為である、という太宰治さんの志に触れる】
【太宰治さん「一つの約束」】
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/43069_17525.html
【人として生きる宝石が、一つでも持てたら合格か。嗚呼、長生きがしてえ!】
【いわさきちひろさんの優しい絵とともに綴る】
【※】「 「惜別」論―«水夫の逸話»の読み解きを鍵として」
https://ronbun.nijl.ac.jp/kokubun/01120917
Q
「オバケのQ太郎」、「ウルトラQ」、「阿Q正伝」、「1Q84」、「きゅうりのQちゃん」、……。
「Q」は「鬼」に通ずる、と聞いたことがある。「鬼」と言えば
【「阿Q正伝」収録】
ところで芥川龍之介さんの作品に「桃太郎」というのがある。
(前略)寂しい鬼が島の磯には、美しい熱帯の月明りを浴びた鬼の若者が五六人、鬼が島の独立を計画するため、椰子の実に爆弾を仕こんでいた。優しい鬼の娘たちに恋をすることさえ忘れたのか、黙々と、しかし嬉しそうに茶碗ほどの目の玉を赫かせながら。……
ーー芥川龍之介さん「桃太郎」より。
私はこの作品から【反戦】メッセージを受け取った。
なんの罪科もない【鬼】を、三段論法にもならない幼い論理、「」(カッコ)つきの「大義名分」で桃太郎一味は成敗し、凌辱し、蹂躙した。
島には極楽鳥が飛び、平和をこよなく愛していた【鬼】を。
しかしどうやら世の中には、芥川龍之介さんの「桃太郎」から、【好戦】のメッセージを受け取る人も、或いはいるのかもしれない、という、にわかには信じがたく、受け入れがたい【現実】を想定しなければならないようである。(いやはや、世も末ではないか)
【芥川龍之介さん「桃太郎」】
https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/100_15253.html
相手が武器を取るから、こちらも武器を取らないと負ける。だから武器を取る。
その発想こそ、私にはあまりにも短絡的に過ぎるのではないか、と思われる。
相手が武器を取るなら、「ツマラナイカラヤメロト」言うのもまた、祖国の愛し方であり、世界に対する愛し方でもあり、戦い方の一つではないのか
【宮沢賢治さん〔雨ニモマケズ〕より。】
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/45630_23908.html
【【詳報】東名あおり運転裁判 “危険運転にあたるのか” 裁判所の判断は】
https://www3.nhk.or.jp/news/special/jiken_kisha/kishanote/kishanote57/
【煽り運転】は倫理上してはいけない、社会的にも制裁される。なのに、なぜ武器を持つことは裁かれないのか 武器を持つこと、それそのものを国際的に違法として許さない、武器を持つ国は国際的に制裁する、そんな法律は出来ないものなのだろうか
【armには「武器」と「腕」という意味とがある】
実際あの頃の政府は、馬鹿な悪い親で、大ばくちの尻ぬぐいに女房子供の着物を持ち出し、箪笥はからっぽ、それでもまだ、ばくちをよさずにヤケ酒なんか飲んで女房子供は飢えと寒さにひいひい泣けば、うるさい! 亭主を何と心得ている、馬鹿にするな! いまに大金持になるのに、わからんか! この親不孝者どもが! など叫喚して手がつけられず、私なども、雑誌の小説が全文削除になったり、長篇の出版が不許可になったり、情報局の注意人物なのだそうで、本屋からの注文がぱったり無くなり、そのうちに二度も罹災して、いやもう、ひどいめにばかり遭いましたが、しかし、私はその馬鹿親に孝行を尽そうと思いました。
ーー太宰治さん「返事」より。
中國の人をいやしめず、また、決して輕薄におだてる事もなく、所謂潔白の獨立親和の態度で、若い周樹人を正しくいつくしんで書くつもりであります。現代の中國の若い智識人に讀ませて、日本にわれらの理解者ありの感懷を抱かしめ、百發の彈丸以上に日支全面和平に效力あらしめんとの意圖を存してゐます。
ーー太宰治さん「「惜別」の意圖」より。
なるほど、芥川龍之介さん、太宰治さんのときよりも確かに時代は進んだ。しかし、人間は変わらない。むしろ、悪くなっているのではないか