読書メモ「80年代音楽ノート」(田家秀樹) | IN THE WIND

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(一部ネタバレあり)

共同通信の配信で2021年4月〜2023年3月、全国の地方紙に掲載された連載コラムを単行本化。50年以上も国内のミュージックシーンを取材してきた著者がその目で見たライブやレコーディングの模様、ミュージシャンと交わした言葉といった取材の蓄積を存分に注ぎ込み、時代の空気を鮮やかに蘇らせる。

 

昭和生まれなら誰でも知っている歌手やミュージシャンが1980年から89年まで1年ごとに章を立てて取り上げられている。その数は個人とグループを合わせて52。僕としては何と言ってもオフコースがどれくらい登場するのかが一番の関心事だったけど、約100本のコラムのうち4本で取り上げられている。

 

まず1980年の章に登場、シングル「さよなら」による大ブレイクが紹介される。ロサンゼルスのエンジニアの手でトラックダウンされ、その年の秋にリリースされたアルバム「We are」が初めてチャート1位を獲得。ドラムの音が太いそのサウンドを「今までの日本のバンドとは明らかに違った」と絶讃した。

 

さらに翌1981年にも登場するが、解散の噂の中で5人時代最後のステージとなった82年6月の武道館10日間ライブまで含めた内容。チケット応募のハガキが53万通に上り、発売初日の電話回線がパンクしたとしているが、チケットは当選ハガキによる窓口引き換えか、郵送のどちらかだったので、解せない。

 

次は4人で再出発した1984年だが、小田和正さんと同級生だったオリジナルメンバーの鈴木康博さんの脱退の影響なども盛り込む。アルバム「The Best Year of My Life」収録の楽曲でドラマ仕立てのプロモーションビデオを制作し、英語詞のアルバムもリリースした小田さんの新たな挑戦には好意的だ。

 

最後は1989年。言うまでもなく、2月末の東京ドーム公演を最後に解散した年だ。同じ年に解散したチューリップも一緒に取り上げられる。ともに70年代から活動し、フォークでもロックでもない80年代のニューミュージックを代表したとして、二つのバンドの解散を「一つの時代の終わり」と総括した。

 

ほかに、吉田拓郎、アリス、甲斐バンド、大滝詠一、サザンオールスターズ、佐野元春、YMO、松任谷由実、中島みゆき、松山千春らが登場。松田聖子や中森明菜、チェッカーズも取り上げる。個人的には山本潤子さんのハイファイセットが入ってないのが残念。80年代は大ヒットがないからか。(集英社)

 

【15日の備忘録】

朝=ご飯1膳、ベーコンとシイタケのソテー、リンゴ、昼=ご飯1膳、トルティージャ、ミニトマトと茹でブロッコリー。飲酒=瓶ビール小1本、赤ワイン4杯。体重=59.8キロ。