4月6日(土曜日)、東京の桜が満開になって初の週末ですが、相変わらずお天気はどんよりした曇り空。昨日のブログの“桜言葉”じゃないですけど、【花曇り】と言えば聞こえは良いですが、せっかく週末にベストの見頃を迎えたのにお天気がこんなでは非常に残念です
そんな中、今週最後の仕入れのため豊洲市場&築地場外市場に向かっている僕であります
仲買さんからの事前情報ではこちらも相変わらず天種にする魚の入荷状況が厳しいようです
時化や、そもそも魚が捕れない事が原因で、欲しい魚の入荷が無かったり、あり得ない程高騰していたりで、難しい状態が続いているんですよね
せっかく市場に行くんですから威勢よく「良いものたくさん仕入れてきます！！」と言いたいところなんですが…
信頼する仲買さんを頼って、できる限り頑張って良いもの仕入れて来たいと思います
さて、コロナ禍騒動が下火になって以来、海外から日本への旅行客が非常に増えていますが、我が天雅もご多分に漏れず外国人のお客様がとても多くなっているんですよね
以前は週に数組だったのが、ここ1～2年は日に1～2組は当たり前に外国人客だったり、時にはすべてのお客様が海外からの方々なんて時もあるくらいです
来訪される方々の国は様々で、アジアはもとより欧米、さらには北欧や南米などからもご来店くださいます。そこで1つ問題になるのが言葉の壁なんですよね
滑舌が悪く日本語もまともに話すのが困難な僕にとって英語での会話はほとんど無理
ただ、妻である女将が英語ペラペラなので(ウソです)、欧米系の方々の対応はなんとかなるんですけど、中国圏のお客様は正直言って何を話されているか全く分かりません
)、欧米系の方々の対応はなんとかなるんですけど、中国圏のお客様は正直言って何を話されているか全く分かりません多少英語が使える方なら最低限の事くらいは何とかして伝えるんですけど、会話となると全く無理なので、ただただ料理を出すだけになってしまうんですよね
なのでお客様も淡々と食事をするだけでほぼ無言
少しでも言葉のコミュニケーションがとれれば、もっと美味しくもっと楽しんでもらえるのに…と非常にもどかしい気持ちでいたんです
ちなみに、韓国のお客様には女将が韓流ドラマで培った挨拶程度の会話ができるので(？)、ドラマも馬鹿にはできないなと思っております
とにかく、あとは中国圏のお客様に対してどうするか…というのが課題でした
そんな我が天雅に“秘密兵器”と言える存在が昨年末から加わりました
このブログでも何度か名前を出しているんですが、台湾からの留学生ボクリン君。
台湾の大学を出て日本料理の料理人になりたいと1年間日本語の勉強をして、昨年の春日本料理に特化した調理師の専門学校に行きはじめた彼。
縁あって昨年末に我が天雅のアルバイトとしてスタッフに加わったんですよね
とても真面目で熱心に頑張るので、普通のアルバイト以上に調理に関していろいろ教えてあげたりしているんですが、春休みには「お給料はいらないので仕込みを手伝わせて欲しい」と志願してきたくらい一生懸命やってくれるんです
先日は台湾からお父さんとお祖父さんが来日されて、「是非天雅の料理を食べてもらいたい」とお客さんとしても来てくれました
その際にお父さんからは「息子を厳しく指導してやって欲しい」とも言われたんです
そんなボクリン君、昨日は大活躍でして、中国北京からのお客様や台湾からのご家族に対して、僕の伝えたい料理の事、日本ならではの春の山菜など食材の事などを通訳してもらって、ちゃんと“会話”ができたんですよね
今までは、ただ料理をお出しして、お客様は淡々と食べるだけ。時々お互いたどたどしい英語で最低限のやり取りをするだけでしたが、昨日はちゃんと“話”ができたのが本当に良かったと思いました
中国のお客様も、台湾のご家族もボクリン君を通じていろいろ話してくれたりして、今まで以上に楽しく食事のひとときを過ごしてくれていたように感じました
ある意味“会話は料理の最高の調味料(スパイス)”になりますから、料理もより美味しく召し上がっていただけたんじゃないですかね
最後にボクリン君は台湾からのお客様から「ここでしっかり学んで、いつか台北でこのようなお店をやってね」なんて言われていたみたいです
彼自身もただ洗い物をしたり、調理の補助をしたり、配膳をするだけでなく、いろいろあてにされるのはやり甲斐に感じてくれると思いますからね
秘密兵器を得た我が天雅、これからもスタッフ一同皆で心を込めたおもてなしをしていきたいと思います
