「なーに物色してんの」
三郎が振り返ると、
目当ての友人がにやにやしながら立っていた。
木内真奈美は三郎の幼なじみ。
中学、高校は別々だったが、同じ大学に通うことになった。
気の知れた真奈美には、恋愛話や進路の話など、
プライベートの多くを話している。
三郎にとっては、唯一の女友達であると同時に、
数少ない気のおけない親友だった。
「ちょうどいい真奈美、これからシェーキーズ食べ放題いかない?」
「あんたね…あたしの都合はどうでもいいのか?」
「勉強しにきてないでしょ?聞いてよ、僕の話を」
「ふん、分かったよ。ちょうどあたしもあんたに用があったし」
真奈美は、三郎よりはるかに食事量が多いのに、
すらりとした体系をキープしている。
モデルのバイトもやっているらしいが、
三郎にはまったく理解できなかった。
モテるようだが、特定の彼氏を作らないのが、
三郎は幼なじみとして心配していた。
男勝りの性格が影響しているのかもしれないと、
三郎はひそかに決めつけていたが、
遊び相手として真奈美がフリーなのはありがたく感じてもいた。
シェーキーズにつくと、
三郎と真奈美は思い思いのピザとパスタを取り分けていった。
しばらくは2人とも無言で料理を平らげていたが、
第1クールを終えるて水を飲んでひと息ついた。
三郎が話をまとめようとしたとき、
真奈美はそれをふさぐように口火をきった。「あんたさ、これを最後にダイエットしな」
三郎は青天の霹靂に何もいえずに、真奈美を見つめ返した。
「1ヶ月以内に、10キロだよ。
出来ないなんて言わせないよ」
(つづく)