さて、当院はスポーツ外傷の患者さんが多数来院されます。以前はバドミントン・テニスでしたが、今は野球です。
以前来られた患者さんですが、訴えとしては脇腹が痛いとのことでした。
野球で脇腹が痛いっと訴える場合は、スイング、または投球時です。スイングや投球動作のように何度も同じ動作を繰り返し一部分に負荷がかかることを「メカニカルストレス」と言います。これは針金をイメージしていただければ分かりやすいと思います。何回も針金を曲げることと伸ばすことを繰り返すせば、曲げられる部分は柔らかくなり、やがて折れてしまいます。柔らかくなった状態が炎症で、折れてしまうと骨折したと例えることができます。
スイング、または投球時において選手は上半身の動きを下半身より遅らせ、タメを作ろうとするので、どうしても捻れる脇腹に負荷がかかりやすくなるのです。
脇腹の怪我でもっとも多いのが、腹斜筋という筋肉の肉離れ。次いで、肋骨の疲労骨折が挙げられると思います。
ちなみに、肋骨の疲労骨折の場合は、レントゲンでは肺や気管支に隠れて骨折の線がわかりにくいので、CTやMRIの検査を受けることをお勧めします。
脇腹の痛みですが、原因については大きく分けて2つが考えられます。
①フォームによるもの。打者の場合、地面に沿って水平にバットを振るレベルスイングであれば問題ありませんが、アッパースイングやダウンスイングでは肋骨の間にある肋間筋に過度の負荷が加わります。肋間筋が何度も収縮する中で一部分に力が加わり過ぎると、炎症の原因となるのです。この炎症が進行すると、疲労骨折を引き起します。
②体の軸の問題です。正しいトレーニングで体幹を鍛えていないと、スイング、または投球時に体がぶれてしまいます。そうすると先程と同様に脇腹に過度の負荷がかかります。足・腰などに痛みを抱え回旋時に上手く体重移動ができない場合も、同様の問題が起こります。
この前も、野球のトレーナーに行ってきたのですが、体の軸がズレている子が多かったです。最近では、「体幹筋を鍛えなさい」って言われ、だいぶん浸透してきましたが、でも鍛え方を間違っている子が多かったです。
そのあたりはトレーナーさんが得意としている部分でもあるので、聞いていただいたらよいかと思います。トレーナーさんがいなければ…スポーツ外傷を得意としている整形外科・接(整)骨院に聞いてもらえると答えてくれると思いますよ
(宣伝

