オリジナルシューズ 21回目 | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、「天神山オリジナル」で作製している中で“工芸品”とも言える手間のかかる仕様で作製した「Uチップ+ウイング飾り」を2年5ヶ月ぶり2度目の紹介です。

12月としては過去最強クラスの“クリスマス寒波”襲来で都心でも1月並みの厳しい寒さが続き、本日の朝には最低気温を更新して朝の通勤電車の中でも足元から来る凍えるような寒さを体感しつつ、着丈修正を終えた「キャメルヘアのポロコート」を今週からローテーションに参加させて、中年の身体を気遣いながらの身も心も温まる防寒スタイルを満喫しています。

この靴をお借りした方は、今シーズンの9月末にもお借りして紹介している「グレーフランネルのスリーピース」の時にも書きましたが、「天神山流」の提案を気に入って洋服は勿論、シャツ、ネクタイ、ポケットチーフ、帽子、手袋、時計に至る小物までトータルで揃えていただきながら靴は今回ので3足目で、今まで作られた2足は共にスエードで少しスポーティーなタイプだったことと、以前よりこのモデルの出来上がりを見て何時かは作ろうと思っていたもので、拘りの洋服が着実に増えていくのに伴って、このエレガントでクラシックスタイルの靴を加えていただくことになりました。

モデルは以前にも紹介していますが、「SILVANO LATTANZI」(シルヴァノ ラッタンジ)社製を「信濃屋」が日本で一番最初(1986年)にラッタンジに注文をした思い出深いモデルの「ANTIQUE」(アンティーク)(http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/48169705.html)をベースに、「天神山オリジナル」最大の特徴でもある甲の縫い目を手間のかかる「リボルターテ」(革の切り目を薄く梳いて内側に織り込んで縫う)仕様と、外側と内側の張り出したコバから角度のある削りからのベベルトウエストの絞りを強くして、コバ&ソールは甲革の色とバランスを合わせ木地仕上げに白のコバスッテッチを最大限細かくして真鍮の外鳩目を付けて、クラシックでエレガントな「古いアメリカ靴」を再現させました。

28cmと大き目のサイズの合わせて7アイレットにしてノーズを伸ばさないバランスは、写真で見る限りではまったく普通サイズ(25cm)と変わらず、実際に履いていただいた写真(一番下)を見ても足が大きく見えないのは不思議に思うぐらいバランスの取れた自信作のクラシックシューズです。

前にも同じことを書いていますが、この靴を実際に試された方やご覧になられた方に“より立体的になったね”と言われて気付かされたことで、弊店がメインで扱っている洋服のパターン・オーダーの「ハンドメイド仕様」の特徴として紹介している、体に馴染み易くさらに柔らかさと立体感が増すのと同じで、上質な素材を使って職人の気持ちの入った手間のかかるモノつくりは出来映えにハッキリ差が出てくるものだと思っています。

「天神山オリジナルシューズ」をスタートさせて3年が経ち、今年は「スリッポン」モデルを新たに作製したのがきっかけになり“九分仕立て”「ハンドソーンウエルテッド仕様」を今までの“九分半仕立て”に加え試しやすい価格帯もスタートさせつつも、オックスフォードシューズはまだまだ完成度の高い“九分半仕立て”で作られる方が多いのが現状で、私自身も7足目に突入しちょっとペースが速いと反省しつつも、年が明けたらレッドラバーソールの「ホワイトスエード」のプレーントウを“九分仕立て”で作ろうかと思案中で、当分の間は作りたい病が治まる気配がなさそうです。




お店「TENJINYAMA」は、12月29日(土)まで営業いたしますが、このブログは2012年最後の更新になります。
年明けは1月7日(月)から営業を開始して、ブログは10日(木)からのスタートを予定しています。

今年は、春夏シーズンには「アイリッシュリネン」をしつこく提案し、秋冬シーズンは「グレーフランネル」から「アルパカのポロコート」へとこだわりのアイテムが充実しつつ、昨年以上に新しい出会いもあり、偏りが強い内容にも関わらず飽きずに購読していただいている皆様に支えられて6年半も続けられていることに、心より感謝しています。

それでは皆様、良いお年を!!