今回は、盛夏から暑さの残る秋口に向けて活躍する軽量な「メッシュ」素材を使ったブレザーの紹介です。
週初めから関東の内陸で猛暑日を記録するところが続出し一昨日には梅雨明けとなり都心でも厳しい暑さの夏本番へと突入して、駅から会社までたどり着くまでの少しの距離を歩いていても汗が吹き出るほどの暑さがやってきたかと思うと、今まで手荷物を持たない主義だったのを昨冬から持ち始めたブリーフケースまで上着と共に持つのが暑っ苦しく感じ、これから先どちらか片方だけにしようかと思案しながらも、ダラシナクなっている服装を止めきれないほど人一倍汗かきな体質に悩まされつつ、あと2ヶ月はなんとか乗り切らなければと中年の身体を気遣いながら自分自身に言い聞かせているところです。
このブレザーをお借りした方は、今年の6月に転職を機に東京に移ってこられてからのまだ2ヶ月足らずのお付き合いで、以前より服飾が好きだったこともあり20代という若さで一流メーカーのものも含め数多くの拘りコレクションをお持ちの中で、サイズの変動を理由に緊急で揃えなければならなくなり、まず「アイリッシュリネン」のスーツと「トロピカル」のスラックスを急ぎで作られ、次に「ハンドメイド仕様」にも興味があると言うことで「キッドモヘア混」のメッシュのブレザーを作成中にもかかわらず、7月を境に通達があった会社からの服装マニュアルに基づき夏物を急きょ補充することになり、今回の軽量素材の「シルク混」とトロピカルのスラックスを合わせて加えることになりました。
この素材は、前々回紹介した「ブラックウォッチ」と同じで、弊社「天神山」と昔から相性が良い、高品質の生地を維持し続けているイタリアの生地メーカー「CARLO BARBERA」社の重さ230gと軽量のウール90%&シルク10%混紡で、「バルベラ」ならではの細かいメッシュの質感とダークブルーの絶妙な色は、夏用のブレザーを何着か持っている方でも釦やディテールを変えるなど工夫をしながらでももう1着加えたくなるような素材ではないでしょうか。
モデルは、前回作った「CRCS」(カラチェニ)から早くも違うモデルを試したいと言うことで、弊社では一番クラシックな「RCSZ」(ローマンクラシック)を使い、ブレザーらしさを強調してメタル釦を使ってシングル3ツ釦段返り、スラントチェンジポケット付きのサイドベンツにして、真夏を意識して肩パットを一番薄くして裏地を極力省いた「軽量仕立て」で作製しました。
今回のコーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、盛夏を意識して明るめの2色使いのレップタイを締めて、コットン&シルクのポケットチーフを華やかに飾り、スラックスはスッキリとベルトレス仕様のライトグレーのトロピカルを合わせ、靴は夏用に作った「天神山オリジナル」のスエードローファーでいかがですか。
今回で「2012年春夏商品」の紹介を最後にしようと思いつつ、昨年を見てみると6月の2週目の「シアサッカーのスーツ」で早々と終わっていて、秋冬物のスタートは昨年とほぼ同じなのに、今年が昨年に比べ梅雨明けが遅かった為に盛夏用のスタートが遅くなったせいか、追加で作製している紹介したくなるような盛夏用の出来上がりがまだあるしと、思いながらも秋冬シーズンのおすすめ素材「ギャバジン」&「ホップサック」や、久々に登場した「カルロ バルベラ」社の「グレーフランネル」も到着しているので、冷房に頼りながら気持ちは秋冬へと一気に移行したいと思っています。