今回は、これから始まる蒸し暑い盛夏に最適な素材「キッドモヘア」混紡で作ったスーツの紹介です。
先週末に東京地区も雨が降りつつも、今週に入ってから昨日までは梅雨の晴れ間が続き日差しが強く30度を越える気温まで上昇し、まるで梅雨明けか?と思いながらも蒸し暑さは増してきて、6月が以外と過ごしやすい陽気が続いていたせいか身体が暑さに慣れきれず少しバテ気味の私の服装は、冷房の効いている電車以外は上着を脱ぐ癖がついて手に持っている状態が既に始まり、店内では冷房で身体を冷やしてから無理やりネクタイを締めて、少しでもキチンと見せようと努力をしているつもりになっています。
このスーツをお借りした方は、弊店「TENJINYAMA」のオープン当初より長いお付き合いをさせていただいている方で、弊店にいらっしゃる前から今までに長い年月をかけて買われた数多くのワードローブの中で、どうしても夏物は消耗が激しい為に今シーズンはジャケットを作ろうと思っていたのですが、気に入るものが無く迷っていた時にこのお値打ち価格の「キッドモヘア」混紡素材と出会い試すことになりました。
この素材は、バンチ(生地見本帳)を使用した流通システムを最初に導入したことでも知られる、ベルギーの生地マーチャント「Scabal」社の、モヘアコレクションの代表作と言われる「モンティゴベイ」で、理想的な弾性と優れたドレープ性、リッチな光沢は他に類を見ない“モヘアの王様”と呼べる服地で、最高級「キッドモヘア」の滑らかな手触りとスーパー100‘sウールの素晴らしい着心地をブレンドし贅沢の極みを表現したトップクラスの素材で、オーダー業界では古くから親しまれていた最高品質の素材でしたが、最近は継続して作っておらず在庫のみの販売になっていて、より希少価値の高い素材になっています。
モデルは、弊店ではこの方が今まで試していなかった「LBS」(ルチアーノバルベラ)を使い、シングル3ツ釦段返り、これも初めて試すスラントチェンジポケットのサイドベンツにして、スラックスは弊店でも珍しくスッキリとノープリーツで作製しています。
今回のコーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、ストライプのレップタイを締めて、今シーズンお気に入りでよく使っているシルク&コットンのポケットチーフを華やかに飾り、靴は「天神山オリジナルシューズ」の作製にあたってブローギングなどのバランスを参考にした「POULSENSKONE」社のフルブローグでいかがですか。
先週まで3週連続で早々と秋冬の商品紹介をさせていただきましたが、これから始まる盛夏に向けて夏物を追加で作られる方も多く、実際に暑さを身体に感じてくると少しでも薄くて軽いものへと気持ちが傾くし、最近の夏は長く10月過ぎても暑さが残るしと思っていると、まだまだ2ヶ月以上は活用できるので、近年の暑さが抜けない短い期間の秋でも涼しく着れる軽めの素材を加えてみてもいいかもしれませんね。