今回は、このところ連続で掲載している弊店「TENJINYAMA」オリジナルシューズで、前回4回目の時に予告していた贅沢な九分半仕立ての「ハンドソーン・ウエルト」製法の履き心地を自分達で試す為に作った2足の紹介です。
上の写真は私が作ったイギリス製「チャールス・F・ステッド」社のスーパーバック(毛羽の短い)を使ってベージュのステッチをアクセントにしたフルブローグで、頻繁に試せるようにと今の時期は私の好きなフランネルやツイード素材に、春夏には良く穿いているコットン素材に合わせることを前提にして一年通して試せるちょっとスポーティーなモデルにしました。
下の写真は弊社オーナーが作ったソールの木地仕上げと柔らかいスコッチスエードとの絶妙なバランスが好評のセミブローグで、毎日徒歩での通勤と前が減りやすく今までは先が削れてから3分張りをしているのをあえて修理屋泣かせの減り難い「Vibram」(ビブラム)のゴムで最初から半張りにして貰いました。
サイズは2人とも仲良く25cmですが、私のは甲の高さはそのままで小指部分に3mm乗せる補正をしているので、写真では分かりづらいのですがかなり幅広での出来上がりで、最近、同じモデルで出来上がってきた細いサイズと比べると、それぞれ味のある雰囲気の中で表情がだいぶ変わって見えます。
私の変な足のサイズは、靴は一生物と思いつつ名品を買いあさって今は殆んど残っていないと言う失敗をした20代のスマートな体型から体重の上昇と共に幅広のベタ足になってしまった為に、長さが無く甲が低いのに小指があたる理由で20年間は25.5cmの靴を履いていたのですが、歳を重ねるごとに合わない部分が気になるようになり最近になって履けない靴がまた多くなってきています(涙)。
「オオツカM-5」で5年前に始めて採寸してもらってパターン・オーダーで作ったセミブローグもサイズが合わず処分してしまったし、「白井さん」の木型をお借りして2足作ったクオーターブローグも甲が高い為に履き込み口が緩く靴下の厚さで調整中の中で、今回のオリジナルシューズの履き心地は、ハンドソーン・ウエルトの特徴なのか今までに経験した事の無い柔らかいフィット感で、昨年暮れより何回か試していますがパターン・オーダーにも拘らず理想のサイズとシェイプに出会えたように感じていますので、あとは私の不恰好な足でも何年か履いて型崩れしなければ完璧ですね。
最近は靴ブームも安定してきているのかわかりませんが、いまだに変なモデルの多さと価格高騰とで興味が薄れかけていたのを「古いアメリカ靴」と技術とセンスを備えた靴職人との出会いから靴への意識が高まりオリジナルシューズのパターン・オーダーへと順調にスタートしていますが、今年はサイズ及び革見本の種類を増やし、「天神山流」の着こなしをトータルで提案出来ればと思っています。
早速、本日の午前中に「大塚製靴」に紹介していただいた浅草界隈の革屋さんに行き色々な革見本を貰ってきましたので、乞うご期待下さい。
1月17日(日)は、横浜元町へ今年初めてのお手伝いに行きます。
2010年も「信濃屋」と共に「白井さん流」のこだわりのスタイルが少しでも広まるように、ご支援させていただければと思っています。