不当な行為を、いとも簡単に正当化してしまう一念の狂いこそ、天魔の所作といえよう | くにゆきのブログ

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今、自分が感動したこと、また知っていただきたいことを、主に記していこうと思います。

    (『人間革命』第11巻より編集)

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        〈大阪〉 17

 

 目的のために手段を選ばず、目的が善であるからといって、安易に手段としての悪を肯定し、自分を律する心を失った時、当初の目的は、既に破綻してしまっていることを知らなければならない。

 

 戸田城聖が、常々、革命家気取りの青年たちの言動を戒め、社会人としての仕事の在り方や、生活態度を厳しく指導してきたのも、

 

一人ひとりの生き方のなかに、人間としての規範を打ち立てることなくしては、広宣流布の正しい伸展はあり得ないと、痛感していたからであるといってよい。

 

 

 しかし、戸田から身近に訓練を受ける機会も、ほとんどなかった大村や、計画に加わった青年たちには、この戸田の心がわからなかった

 

 青年たちは、むしろ大事な密命を託され、窮地の突破口を開く英雄であるかのような、妄想にとりつかれていた

 

 不当な行為を、いとも簡単に正当化してしまう一念の狂いこそ、天魔の所作といえよう。

 

 その時、彼らは、自分たちの違反行為によって、山本伸一や小西武雄が獄につながれ、また、どれほど戸田城聖を苦しめ、広宣流布の前進を阻むことになるかなど、夢想だにしなかたのである

 

 ・・・ 。

 

 山本伸一が、手錠をはめられて連行されたという話は、東京の学会本部の戸田城聖のもとに、すぐさま報告された。

 

 戸田は、電話口に小沢弁護士を呼ぶと、激怒して言った。

 

 「直ちに手錠を外させろ。すぐに、伸一を釈放させろ!」

 

 うなるような声であった。

 

 「いいか、小沢君、学会をつぶすことが狙いなら、この戸田を逮捕しろと検事に伝えてくれ。かわいい弟子が捕まって、牢獄に入れられているのを、黙って見過ごすことなど、断じて出来ぬ。

 

 戸田は、逃げも隠れもしませんぞ!」

 

 戸田は、こう言って電話を切った。