徹底して戦い、一気にことを決しておく必要があるんです | くにゆきのブログ

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今、自分が感動したこと、また知っていただきたいことを、主に記していこうと思います。

     (『人間革命』第11巻より編集)

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         〈夕張〉 2

 

 夕張炭鉱の教宣部長は、極度の緊張からか、硬い表情で、唾をごくりとのみ込みながら、思いがけぬことを言い出した。

 

 「あのう・・・ まことに申しにくいことなのですが、「対決」の件については、無期延期にしていただきたいのですが・・・

 

 豹変もいいところである。無期延期とは言うものの、白紙撤回に等しい。

 

 ・・・。

 

 ちょうど、このころ、札幌の旅館では、山本伸一を囲んで、さっき終わったばかりの討論会の録音テープを聴いていた。

 

 テープが終わると、山本伸一は、ただ一言、短く言った。

 

 「成功だったね、こちらの勝ちだ」

 

 この時、夕張から電話が入り、対決中止の申し入れがあったと報告してきた。

 

 伸一の目は鋭く光った。彼は、現地の混乱を予想し、その真っただ中に身を挺すべく、再び夕張に向かった。

 

 三林宅には、心配顔の幹部や会員が大勢集まっていた。

 

 伸一は、人びとの顔をぐるりと見回した。

 

 みんな、安心してください。私が、責任をもって指揮を執ります。民衆のための戦いだもの、必ず勝つに決まっています」

 

 その夜、伸一は、多くの人びとを指導しながら、既に決定していた通り、七月一日に札幌で、翌二日に夕張で行う炭労への抗議集会の準備を、遅くまで進めた。

 

 六月三十日の朝、伸一は、炭労の教宣部長に面会を求めたが、教宣部長は、頑として拒み続けた

 

 伸一は、悔しがる青年幹部を旅館に集めた。

 

 「夕張での対決は、これでなくなってしまったが、問題は解決したのではない。炭労側は、今後も、さまざまな手段で、学会員をいじめにかかってくるだろう。

 

 だから、この際、夕張の学会員が二度といじめられないように、徹底して戦い、一気にことを決しておく必要があるんです