(『人間革命』第10巻より編集)
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〈展望〉 12
「広宣流布というのは、人類の生命の土壌を深く耕し、豊かな実りある土壌に変えることにある。
その土壌のなかから、人びとの幸福と平和に寄与できる人材を、あらゆる分野に輩出していくのだ。
広宣流布の戦いは、どこまでいっても信心が根本であり、そして、人間に的がある。
一人の人間における偉大な人間革命を、終始一貫、問題にしなければならない。それでこそ、あらゆる分野での、新たな開花が期待できる。
政治革命といったって、人間革命という画竜点睛を欠いたら、何一つ変わるものではない。
歴史を振り返ればわかることだ。
今度の戦いだって、まだ序の口の序の口だが、立派な政治家らしい政治家を、この土壌のなかから育てなければならぬということに目標を定めて、
妙法を持った同志を推薦して取りかかった仕事だ。
政治の分野にも、真の政治家を育成することが、これからの課題になってきたところだよ」
「そうですね。今回推薦して当選した人が、なんとしても立派な政治家として育ち、政治の分野で大いに活躍してほしいですね」
「そうだ、当選した者が、民衆のために、国家のために、人類のために、いかに嵐を受けながら、奔走するかだ。
それを、皆で激励し、見守っていきたい」
「わかりました。そうした人材を、数多く輩出していくには、長い時間が必要ですね」
「その通り、しかし、手をこまねいていては、いつまでも人材は育たない。その第一歩として、今度のような支援活動をやった。
しかし、その広宣流布の道程が、いかに険難であるかを、思い知らされた気がする。
(つづく)