(『人間革命』第10巻より編集)
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〈跳躍〉 17
幹部会の冒頭での、この成果発表の時、関西勢の跳躍に、感嘆の吐息が満堂に満ちたのも無理はない。
そして一瞬の後に、驚異の拍手が爆発した。
全国から集った幹部のなかで、心ある幹部は、いたく衝撃を受けたにちがいない。
彼らの大部分は、型にはまった生気のない日常活動に堕してしまっていることに、激しい反省を迫られた。
指導部長・清原かつは、演台から小柄な体を乗り出すようにして、生ぬるい東京勢の活動形態を、厳しく叱咤しなければならなかった。
「ここ一カ月間、東京の各座談会に、原山統監部長と一緒に出席してみましたが、どの座談会に行っても、折伏の精神がみなぎっている座談会は、一か所もありませんでした。
実に、東京の座談会は、なんの迫力もなく、形式にとらわれた、ただ集まればよいという状態でありました。
この点について、幹部が、お互いに真剣に考えなければならないと思います」
彼女は、弘教活動が、「行」としての信心活動の眼目であることを訴えた。
そして、戸田城聖の、「折伏しなさいよ」という簡単な言葉に、信心を深めつつ宿命転換して、幸福な境涯を築く道が示されていることを力説して、話は関西勢の現況に及んだ。
「大阪支部が、その怒涛のような折伏をしておりますが、支部長自ら、地区部長自らが、率先して折伏を行じています。
ところが、東京の幹部は、座談会に顔を見せればよいという考えなので、座談会の終わるころに、のそのそと来て、『今夜は、実はほかの会合があったので・・・』などと言い訳をする。
そして、『折伏しなさいよ』と、もそもそ言って帰っていきます。
大阪の座談会を見ておりますと、東京の幹部は、なんの闘争もしていないという、情けない結論になってきます」