(聖教新聞、3月11日、随筆「人間革命」光あれ、一部抜粋)
(前略)
この3月11日は、北海天地で、創価の正義を満天下に
示した歴史的な「小樽問答=昭和30年小樽市公会堂で
行われた創価学会と日蓮宗身延派との公開問答(管理者記)」
から滿65年でもある。
(中略)
小樽支部の初代支部長として戦った友を、
戸田先生が激励されたことがある。
「いやなこと、辛いこと、悲しいこともあるにちがいない。
むしろ、人生は、その連続だろう」
「だが、信心を全うし抜いていけば、最後は必ず勝つ。
いろいろなことがあっても、幸福と言い切れる境涯になるよ」
(中略)
【耐えてこそ開花】
北国の冬は長く、厳しい。だが、寒風の下でも、木々は
力を蓄え、芽吹きの時を待つ。
大震災の年の9月、私は小説『新・人間革命』の
「福光(ふっこう)」の章を綴った。
(中略)
いかなる試練や苦難の冬が続こうとも、我らは胸を張り
耐え抜いて、断固として咲き誇るのだ!
「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」(御書)
という希望の大哲理を社会へ、世界へ、未来へ示していくのだ!-
との願いを込めたのである。
まさしく、不撓不屈の負けじ魂で、「冬は必ず春」を実証
してきた同志こそ創価山の”福光桜”にほかならない。
大聖人は、こうも仰せである。
「冬と春とのさかいには必ず相違する事あり凡夫の
仏になる又かくのごとし、必ず三障四魔と申す障りいできたれば
賢者はよろこび愚者は退くこれなり」(御書)
(中略)
【自然に仏界に】
現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、
国内外で医療関係者はもとより社会全体で力を
尽くしている。昼夜を分かたぬ多くの方々の労苦に深謝
するとともに、一日も早い終息、安穏な日常の回復を、
強く深く祈り願ってやまない。
かのトインビー博士は呼び掛けられた。
ー「危機の時代」を生きる人間は、事態をよい方向へと
打開し、今を「偉業の行われた時代」に転じ、
「黄金の時代の先駆者」となるのだ、と。
(中略)
東北・北海道をはじめ全同志と繰り返し拝してきた
「開目抄」の御金言を、今再び、心肝に染めたい。
「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば
自然(じねん)に仏界にいたるべし、
天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事
をなげかざれ」(御書224ページ)
(中略)
これからも、諸難を一つまた一つ、勝ち越えながら、
いやまして「仏界」という最極の生命の大連帯を、
地球社会へ広げていこうではないか!