ドラマ「ロア~奇妙な伝説」都市伝説を語るドキュメンタリー | 休日の雑記帳

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制作年:2017年

制作国:アメリカ

 

怪奇譚が好きならお勧め。

 

☆あらすじ☆

 

狼男や吸血鬼など、古典的な怪異や都市伝説の正体を紹介するドキュメンタリー様のドラマシリーズ。2シーズン、12話構成。

 

お勧め ★★★☆☆

 

めちゃくちゃ面白いというわけではないけど、時間があるときに少しずつ見るにはちょうどいいドラマシリーズでした。

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

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シーズン1では過去の奇妙な伝説・伝承について真面目に解説していて、まるで教育番組のような作りでした。都市伝説を面白おかしくエンタメ仕立てで紹介するのではなく、一種の学問として取り扱っている点が面白かったのですが、リアルな映像がややグロテスクで、その手の映像が苦手な人には辛いかもしれません。

 

シーズン2では打って変わってドラマ仕立てで都市伝説を紹介しており、シーズン1よりとっつきやすくなったものの、個性は半減してしまいました。どちらが好きかは好みに依るかと思いますが、取り上げられている伝説はシーズン2の方が興味深く感じました。

 

シーズン1がかなり古典的な伝説を扱っていたのに対し、シーズン2は比較的新しい伝説を扱っていたような印象でした。シーズン1で一番印象的だったのが、第2話の「恐怖の手紙」。今では非人道的として禁止されているロボトミー手術の実態を紹介した回ですが、医師の傲慢さと独りよがりのために、想像するだにおぞましい手術が行われ、それによって人生を破壊された犠牲者が何人もいたことは大変な悲劇だったと思います。自分を一流の医師と信じ、自分の編み出した天才的な外科手術によって何人もの患者を救い、感謝されるべきだと盲信していた医師が、患者の本音を知った時の気持ちとはどのようなものだったのでしょうか。本人は良かれと思っての事、ロボトミー手術をもてはやした当時の世論も罪深く、医師だけの責任とは言えないのかもしれないですね。

 

シーズン2では第4話の「プラハの天文時計:オルロイの呪い」と、最終話の「ジャック・パーソンズ:悪魔と神」が印象的でした。

 

ペストが大流行していた時代のプラハでは、止まってしまっている天文時計「オルロイ」を動かすことができれば、現在の窮状から逃れられると信じられていました。しかし、数多の時計職人がオルロイを修理しようと試みるも、発狂したり命を落としたり逃げ出したりで、一向に直すことができない、というお話。この話には多分にフィクション要素が混入しているようですが、ミステリアスな演出が印象的で面白い回でした。

 

ジャック・パーソンズの回は、ひとりの天才的科学者の頭脳の中に宗教的な要素と科学が混在していた点がとても面白かったです。悪魔と神と魔術を信じながら科学の道を歩んでいたジャック・パーソンズでしたが、中二病を拗らせた科学者が精神疾患にかかっていた、というのが妥当なところだったのではないかと思います。ドラマではジャック・パーソンズの視点で物語が進むため、科学者の見る宗教的な世界観が面白く、印象的でした。

 

シーズン3はないようですが、配信されていたら続けて見ていきたい作品でした。