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チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

 

 今や制裁与奪の権を握る営業部長となった元同人誌仲間に

 干される漫画家、先代組長の遺志に従って我が身を顧みず

 元組員の行く末を才覚するヤクザ。銀行強盗計画を察知し

 決行直前の三人組を爆弾で吹き飛ばすエンジニア夫婦ーー

 過去数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験は、殺人事件に

 際しても活かされる。福家警部補はどこに着眼して証拠を

 集めるのか。三編収録のシリーズ第三集。ー裏表紙よりー

 

 

 先日本棚を整理したときにこのシリーズのこの本だけがあ

 りませんでした。このシリーズ大好きなので早速買い、再

 読しました。

 1編目の「禁断の筋書(プロット)」。

 元々仲間として同人誌などを作っていたみどりと真理子。

 漫画家と編集者という立場になった2人。

 真理子の嫌がらせで連載がなくなった立場のみどりは発作

 的に真理子を殺害します。 

 これはみどりに対してあまり共感とか同情が湧かなかった

 物語でした。

 2編目の「少女の沈黙」。

 これはヤクザの世界を描いたものですが、菅原という組長

 の片腕だった男がなんとか組員に更生してほしいと奔走す

 る話です。

 菅原の懸命に生きているところ、情に厚いところ、優しさ。

 できれば逃げ切ってほしかったと思いました。

 3編目の「女神の微笑」。

 なんとなく記憶にあったのですが、実はラストがかなり意

 外でした。

 こんな終わり方だっけ?と全く想像と違っていました。

 そして福家警部補はなんかこれを予想していのかと思える

 ようなラストでした。

 犯人の老夫婦はには好感が持てるのでこの終わり方はこれ

 でいいのかなあと納得でした。

 やはり福家警部補は魅力的です。

 このシリーズが長く続くことを願います。★★★

 

 

 

 

 

 

 

 2024年11月、アメリカの次期大統領が決まる。

 バイデンかトランプか、大接戦である。トランプの当選も

 十分にある。トランプは一日でウクライナ戦争を終わらせ

 ると言っている。また、MAGA(Make America Great Again

 =米国を再び偉大な国に)と叫び、中国の関税は60%で、

 他の国々も10%にすると言っている。なぜトランプは人

 気なのか、トランプのアメリカはどこへ向かうのか?

 6人に識者が分析する。        ー裏表紙よりー

 

 

 

 この本ができたのが5月ぐらいのことのようで、まだバイ

 デンが頑張っていたときですね。

 そこから状況は変わり民主党の候補はハリスになるようで

 すが。

 さて、本書の識者6名のうちのほとんどがトランプに対し

 て否定的なのですが、1人だけトランプに好意的な人がい

 ました。

 佐藤優さんです。

 佐藤さんのトランプ評は以下のとおり。

 ・トランプは金に関心はありません。雇用です。

 ・トランプが目指しているのは、額に汗するものが報われ

  るアメリカです。生まれたときから極端な格差があるの

  ではなく、誰でも夢を見て、働いた者がそれを実現でき

  るアメリカ、それがトランプが考えているアメリカ像で

  す。

 え、と思いませんか?

 まるで一般的に言われているトランプのイメージとは真逆

 ではありませんか。

 うーん、むしろトランプは金の亡者という気がしないでも

 ないのですが‥。

 佐藤優さん以外は概ねトランプには否定的です。

 トランプ自身はずっと共和党だった人ではないそうです。

 共和党にはトランプに対して反感を抱いている人も多いよ

 うです。

 「共和党の良心として、トランプが本質的に嫌い」という

 のは的を射ているのかなと思います。

 それにしてもデーブ・スペクターさん、トランプのこと一

 刀両断です。

 ここまで言っていいのだろうか‥。★★

 

  

 

 

 

 

 シングルマザーのミユキさんが心ひかれたのは八歳年下の

 自動車整備士クマさん。娘のマヤもクマさんに懐き、すっ

 たもんだはありつつも平穏な日々が続いていたのだが‥。

 幸せが突然奪われたのは彼がスリランカ出身の外国人だっ

 たから。引き裂かれた三人はやがて、国を相手取った戦い

 に挑むことになりーー家族で一緒に暮らしたい、願いはそ

 れだけ。温かな語りで、厳しい現実を描く圧巻のドラマ。

                    ー裏表紙よりー

 

 

 

 入管、難民など普段生活していて自分の生活には全く関連

 性のないキーワードばかり。

 ただ何年か前に名古屋の入管に収容されていた女性が死亡

 するというニュースがありました。

 確か私、テレビの報道特集でそれを見ていて入管てところ

 はひどいと思った記憶があります。

 よく日本は恵まれている国だと言われます。

 私は外国に暮らしたこともなく日本と外国を比較するとい

 うこともできませんが、日本は日本人にとってはいい国な

 のかもしれませんが、外国人には冷たい国だと感じていま

 す。

 この小説の中にもありますが、インバウンドなどで日本に

 遊びに来てお金を落としてくれる外国人にはいい顔をする

 のに、日本で暮らそうとする外国人には好意的ではないと

 いうのはその通りだなと思います。

 クマさんはスリランカからやってきて自動車整備の学校に

 行き、整備工場で働いていました。

 ミユキさんは夫亡き後、懸命に娘のマヤを育ててきました。

 そうやって懸命に生きてきた男女が恋に落ちて家庭を持ち

 たいと考える。たったそれだけのことなのに、国はなんだ

 かんだと難癖をつけてクマさんを強制送還させようとしま

 す。

 なんだか読んでいて情けなくなってきました。

 もちろん国際結婚には偽装結婚などの問題があることも知

 っていますし、そういうものを防がないといけないという

 のはわかります。

 ただ、入管のやっていることは人間としての尊厳をどう考

 えているのかと思うと、もっと柔軟な対応ができないもの

 かと思ってしまいます。

 入管のやることには怒りしかなかったのですが、物語自体

 は温かく素敵な物語でした。

 いつまでも幸せに暮らしてほしいなと思います。★★★