#真相をお話しします | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

 

 島育ちの仲良し小学生四人組。あの日「ゆーちゅーばー」に

 なることを夢見た僕らの末路は‥(「#拡散希望」)。

 マッチングアプリでパパ活。リモート飲み会と三角関係。

 中学受験と家庭教師。精子提供と殺人鬼。日常に潜む「何か

 がおかしい」。その違和感にあなたは気づくことができるか。

 新時代のミステリの旗手による、どんでん返しの五進撃。日

 本推理作家協会受賞作を含む、傑作短編集。ー裏表紙よりー

 

 

 5編、すべて攻めてるなあというのが率直な感想。

 この作家さんはじめましてなのでどんな作風か全くわからず

 読み始めたのですが1編目の「惨者面談」でまず度肝を抜か

 れました。

 家庭教師会社の営業を務める大学生の主人公が、家庭教師を

 要望してきた家に訪ねていきますが、そこで会った親子の様

 子が変なのです。

 なんとなく母親と息子がよそよそしいというか、まるで話が

 嚙み合わないというか‥。

 いろいろ伏線が張り巡らされているので、最後に真相がわか

 ったときに、そういうことだったのかと腑に落ちました。

 この1編目でへえ、そうきたかと深く感心してしまいました。

 5編目の「#拡散希望」もちょっと普通では考え付かないよ

 うな仕掛けになっていました。

 え、え、え、とこれもあり得ないと思うのと同時に時代はま

 さしくこれぐらい進んでいるのかもねと思ったりもしました。

 この「#拡散希望」も伏線の張り方がお見事でした。

 他3編「ヤリモク」「パンドラ」「三角奸計」はちょっとや

 り過ぎの感も。

 「パンドラ」は少し話が読めてしまうところがあるのと、主

 人公夫婦にあまり共感できませんでしたが、なかなか面白い

 短編集でした。                 ★★★