マンモスの抜け殻 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

 

 高齢化が進む都心の団地で介護施設経営者が殺害された。

 事件を担当することになった警視庁の仲村は捜査の過程

 で、二人の幼馴染と再会。事件の直前に被害者と揉めて

 いた美人投資家、不正請求に手を染めた男。重要参考人

 となった友を救うため、刑事が奔走する。

 コロナ後の介護業界の闇を描く社会派ミステリー。

                   ー裏表紙よりー

 

 

 

 殺害された介護施設経営者は飲食店を幅広く経営し、団

 地でも有名な老人でした。

 有名といっても悪名高い藤原。

 プロローグでは仲村の子どもの頃の団地の夏休みの様子

 が描かれています。

 後に著名な投資家となった環、殺害された男の介護施設

 で働く尚人。

 環と尚人が藤原に連れられ自治会の集会所に行くという

 ところでプロローグが終わります。

 このとき環と尚人に何があったのか?

 ここがまず1つの疑問。

 そして果たして藤原を殺害したのは誰なのか?

 環が一番怪しいような感じがするのですが、仲村は環で

 はないと思っています。

 一方、藤原が経営する介護施設では不正が横行していま

 す。施設長の熊谷は元ヤクザ。尚人の人の好さに付け込

 んで不正請求を命じています。

 この熊谷も藤原を殺害する動機があり(施設を乗っ取り

 たい)かなり怪しさを含んでいます。

 結局犯人は意外な人物に落ち着くのですが、この小説の

 肝は犯人が誰かということではなく、介護業界の闇を描

 きたかったのだろうなと思います。

 国は結局介護の大変さをわかってないんでしょうね。

 介護施設に勤める人たちがどれだけ大変か。

 介護施設が不正請求をするなんて論外ですが、でもそう

 せざるを得ないほど人手を確保するのが大変だというこ

 とに思いが至っていないのでしょう。

 そんなことを考えながら読みました。★★