陰の季節 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

 

 警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポス

 トに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけ

 られた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上

 がってきた‥。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選

 考委員の激賞を浴びた第5回松本清張受賞作を表題作とす

 るD県警シリーズ第1弾。       ー裏表紙よりー

 

 

 

 再読です。

 お決まりの通り全く内容を忘れていたので最後まで楽しめ

 ました。

 4編の連作短編集ですが、すべて警察内部の事情の物語で

 す。

 やはり警察も一般社会と同じ。昇進や人事が関心事。

 1編目の「影の季節」は天下りポストに固執するOBを人

 事担当の二渡がなんとか説得して退官させようとする話で

 すが、なぜそこまでして居座り続けようとするのかが最大

 の謎でした。

 娘が結婚を控えているので肩書が必要で無職では困るとい

 うことなのか?

 それにしても‥と謎は深まります。

 ラストは結構驚きの内容でした(1回読んでいるのに)。

 3編目の「黒い線」は婦警の七尾友子が主人公。

 女性警察官の悲哀が描かれています。

 似顔絵書きで犯人が検挙されたお手柄の平野瑞穂が無断

 欠勤をし失踪してしまったという物語。

 何故、瑞穂は消えたのか、男が絡んでいるのか。

 友子はいろいろ探りを入れ最後に結論を導き出しますが、

 なんとも言えない腹立たしい話でした。

 これ1998年に書かれているので「女は‥」という文言

 も普通だったのかもしれませんが、いまなら完全にアウト

 でしょうね。★★★