エゴイスト | チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

「母が死んで、『死にたい』と思っていた僕の何かは死んだ」。

14歳で母を亡くした浩輔は、同性愛者の本当の自分の姿を押し

殺しながら過ごした思春期を経て、しがらみのない東京で開放

感に満ちた日々を送っていた。30代半ばにさしかかったある日、

癌に冒された母と暮らすパーソナルトレーナー、龍太と出会う。

彼らとの満たされた日々に、失われた実母への想いを重ねる浩

輔。しかし、そこには残酷な運命が‥。龍太と母を救いたいと

いう浩輔の思いは、彼らを傷つけ、追いつめていたのか?愛と

は?自らを救うためのエゴだったのか?   ー裏表紙よりー

 

 映画化されているんですよね。テレビのCMで見ました。な

んか色っぽい感じのCMだったのであんまり興味ないなあと思

っていました。

 仕事場の女性が映画も観て本も読んでよかったということで

本をお借りしました。

 全然想像と違っていました。CMのときはまあ、インパクトを

出したかったからかも知れませんが、性愛の雰囲気が濃く出て

いるように感じてました。

 しかし今回読んだ感じではもちろんそういうシーンや心情を

語っているシーンもあるのですが、むしろ親子愛の方に重点が

置かれている気がしました。

 特に男の子が母を求めるという心情が強く出ていました。

 これも私にはよくわからなくて‥。私が男の子でもないから

でもあるし、母に苦手意識が強いからでもありますが。

 自分の子どもが同性愛者であることがわかれば世の親はどう

いう感想を持つのか。それも私には計り知れませんが、もし自

分ならどうかと考えるとなんとも言えない気持ちになります。

 龍太の母親は悩みながらもそれを受け入れています。息子の

ことを尊重しているわけです。

 世の親がこの龍太の母親のようであればこういう問題で苦し

む子どもたちは救われるでしょう。

 あとがきにこの映画の出演者の鈴木亮平さんが「中学生の浩

輔のように自らのセクシャリティを理由に命を絶つ選択を考え

てしまうような少年少女が、この国から、この世界から一人も

いなくなることを私は願います。そのためには私を含めた社会

全体の意識の改革、教育や制度の改革が必要だと感じています」

と書いています。その通りだと思います。★★